アフリカ

2019年9月16日

【イベントレポート】「アフリカ・日本 スタートアップピッチ」に登壇!多くの出会いで幕を閉じた最終日【TICAD7 Day3】

2019/8/28(水)〜8/30(金)にパシフィコ横浜で開催されたTICAD7(第7回アフリカ開発会議)。最終日の8/30(金)は、ディープロ代表の野呂が「アフリカ・日本 スタートアップピッチ」に登壇しました!

2019年8月28日(水)〜8月30日(金)にパシフィコ横浜で開催された TICAD7(第7回アフリカ開発会議) 。
最終日の8月30日(金)は、ディープロ代表の野呂が「アフリカ・日本 スタートアップピッチ イノベーション推進&パートナー発掘」に登壇!午後の部「日本のスタートアップ・ピッチ」の「SDGs達成へ イノベーションの推進―アフリカでの活躍を目指す日本の起業家・スタートアップによるピッチ―」で、「国内公募を経て選抜された、すでにアフリカで活躍中もしくは今後アフリカへの進出を計画中のテック・スタートアップ7社」のうちの1社としてご紹介いただきました。

TICADとは

日本政府が主導し、国連、国連開発計画、アフリカ連合委員会及び世界銀行と共同で開催するアフリカの開発をテーマとした国際会議です。2008年の第4回、2013年の第5回に続いて、第7回は2019年8月28日 ~30日に横浜で開催されます。我が国が主催する最大規模の国際会議で、第5回会議には、国家元首・首脳 級、国際機関及び地域機関並びに民間セクターやNGO等市民社会の代表等、約4,500名以上が参加しました(第7回アフリカ開発会議 横浜開催 2019公式サイト「アフリカ開発会議とは」より)。

「アフリカ・日本 スタートアップピッチ イノベーション推進&パートナー発掘」とは

日本企業のアフリカ進出を推進するJETRO(日本貿易振興機構)、アフリカのイノベーションを推進するJICA(国際協力機構)そしてUNDP(国連開発計画)の3者がアフリカの社会課題に革新的な解決策を有する厳選スタートアップ企業をピッチ形式でご紹介しました。

アフリカからは17社、日本からは7社の企業が選ばれ、ディープロはその日本企業7社のうちの1社に選ばれました。今年のルワンダ校開校をはじめとし、今後さらなるアフリカ展開を目指す上で、新たなパートナー候補や投資先の情報を得る機会として応募したのがきかっけでした。

JETROの「アフリカ・日本 スタートアップピッチ イノベーション推進&パートナー発掘」のサイトこちら

午前の部「アフリカのスタートアップ・ピッチ」

午前の部では、第1部として「SDGs達成へ イノベーションの推進― 応募約500社から選抜されたアフリカ・スタートアップによるピッチ ―」が開催されました。UNDP 総裁のアヒム・シュタイナー氏が開会のご挨拶をし、モデレーターに株式会社エッジ・オブ 共同創業者・代表取締役のケン・マスイ⽒、メンターにはマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社パートナーの堀井 摩耶氏、アービシュカール アフリカ ファンド パートナーのアビシェク ミッタル氏、神戸情報大学院大学(KIC)学長でありラーンネット・グローバルスクール代表の炭谷 俊樹氏、トニー・エルメル財団(The Tony Elumelu Foundation)の最高経営責任者であり弁護士のイフエインワ・ウゴチュク氏、リアルテックファンド グロースマネージャーの山家 創氏が参加されました。

アフリカ全土から選抜されたテック・スタートアップ7社(LifeBank、KHENZ、Health Direct Global、Ecodudu、Chefaa、Maibeta、SPIKE-X)が登壇しました。

休憩を挟んで第2部では、「新たな市場開拓連携パートナーの発掘―JETRO・ナイジェリアCo-Creation Hubによるアジアツアー参加スタートアップによるピッチ ―」が開催されました。モデレーターにCo-Creation Hub インキュベーションユニット ディレクターのダミロラ・テイディ・アヨーラ⽒、コメンテーターにSawari Venturesの創業者&会長のアハメド・エル・アルフィ氏、Savannah Fundの創業者&マネージングパートナーのムブワナ・アリー 氏が参加されました。

この回では、厳選されたアジアや日本企業との技術連携などに関心を有しているdeep-tech系のスタートアップ企業10社(Access Afya、GRICD INTEGRATED SERVICES LIMITED、Casky、Tǽillὸ、AC Group Ltd.、CHIL AI (Community Healthcare Innovation Lab - Artificial Intelligence) 、RelianceHMO、Enova Robotics、LIFI-LED、Flare)が登壇しました。

午後の部「日本のスタートアップ・ピッチ」

いよいよ午後は日本のスタートアップ企業の登壇です。
モデレーターには再びケン・マスイ⽒が登場され、メンターとして堀井 摩耶氏、アビシェク ミッタル氏、イフエインワ・ウゴチュク氏、山家 創氏も再びご登場。この回では、神戸情報大学院大学(KIC)副学長・スウィフト・エックスアイ株式会社 代表取締役社長・ほか複数企業役員兼務の福岡 賢二氏もメンターとして参加されました。

ディープロ以外に登壇された6社はこちらです。

1.株式会社CourieMate
2016年より、住所システムがなく、非現金決済が不在なウガンダにて、IT技術を活用し、全国130県に対して、安全で安価なラストマイル配送を提供しています。

2.インスタリム株式会社
インスタリムは世界初のフル3Dプリント義足を実用化したスタートアップです。独自開発の3DとAIの技術で、世界の千万人以上に、高品質で低価格な義肢装具を届けます。

3.レキオ・パワー・テクノロジー株式会社
アフリカの医療空白域をなくすため、全世界の普通の人々がクラウドにより自分で自分の健康を管理するDIYエコーの仕組みを作り上げようとしています。

4.メドメイン株式会社
メドメイン株式会社は、AIを用いた病理画像診断のマーケットプレイス「PidPort」によって、世界中の誰もが迅速な病理診断を受けられる世界を目指しています。

5.株式会社チームAIBOD
株式会社チームAIBODは日本の福岡を拠点としたスタートアップで、お客さまが収集したデータとAIの力を活用し、新規ビジネスや業務効率化の提案を主に行っております。

6.ウミトロン株式会社
UMITRONは「持続可能な水産養殖を地球に実装する」というミッションを掲げ、水産養殖生産者の為に収益性を向上させ、かつ環境負荷低減を実現できる技術開発を行う企業です。

アフリカ全土にIT教育と雇用の機会を届けたい

Image from Gyazo

2番手で登壇したディープロ。
代表の野呂が、自らが「人の人生の価値を上げること」をMISSIONとして、どのようにスクールを立ち上げ活動してきたかをご説明しました。全世界で共通して課題となっている「若年層の雇用の創出」。弊社にはこれまでの4年間、東京でオリジナルの教材に改善を加え続け、雇用創出してきたという実績があります。そして弊社が構築した人的ネットワークも活かして、「若年層の雇用の創出」という課題の解決に取り組んでいることをご説明しました。

■さらに詳細な内容を記した記事「【イベントレポート】ディープロ代表の野呂が「アフリカ・日本 スタートアップピッチ」で伝えたかったこと【TICAD7】」はこちら

神戸情報大学院大学(KIC)副学長 福岡 賢二氏からのコメント

野呂の登壇が終わると、メンターの福岡氏からは「ルワンダで、ルワンダと、人材育成や若手の雇用ということでは全く同じMISSIONですので、ある意味ライバルであり、非常に同志であると思いました。このあと、ゆっくりお話できればと思います。」とのコメントをいただきました。

また「私たちが非常に苦労しているのが、なかなか仕事がないこと。人材育成しても仕事がないのは非常に悩ましい問題ですが、日本からオフショアで持っていくというお考えでしょうか。その場合、十分な数を確保できるのか、マッチングについて詳しく聞かせていただければと思います。」とのご質問をいただきました。

この点について、野呂は「マッチングについてはこれから課題が見えてくると思っています。実際に卒業してない段階なので、これから見えると思います。」と続けます。「受託開発という点でいうと、私たちは日本で卒業生による受託開発サービスというものをしておりました。年間でいうと、20〜30万円の予算でだいたい10件くらいの受注ができます。そういったものでもルワンダの卒業生が開発できれば、少なくとも実務経験付与のところはあると考えます。その先、インターンとして現地の企業に行くステップとして、踏み台として使っていただく形をとっていけないかというのがひとつあります。」

そして次のようにまとめました。
「ただ、開発だけでは難しいということもあると思います。その場合、私たちの仕事としてリモートで日本人受講生向けのサポートをしていただいたり、現地での展開を手伝っていただいたりする方法も考えています。学び続ける場、学び続けていつかレベルが上がっていけば就職まで到達する、そういう場を作りたいと思っています。こちらは日本人受講生向けに活動してきて、そのあと学び続けた方はメンターをしたり、教える側に回ってでも仕事を獲得したりできた。弊社でのこういった過去の経験に基づいています。」

野呂の回答が終わると、福岡氏から大変嬉しいお言葉が!
先月たまたまルワンダに行ったときにSOLVE ITさんと私がメンタリングさせていただいて、ディープロさんのお話を聞いて、非常に信頼性が高かったです。頑張ってください。
同じような取り組みをされている福岡氏からのコメントだからこそ、一層感慨深いものがありました。

リアルテックファンド グロースマネージャー 山家 創氏からのコメント

次に山家氏より、アウトソース先の視点からコメントをいただきました。
「非常に素晴らしい取り組みをされているなと思いました。教育コストと受講生ということで、奨学金を含めたビジネスモデルのスケーラビリティに、特に教育コストをいかに下げるかという施策に少し興味があって、Google翻訳を使っているというのはひとつおもしろいアプローチだと思いましたが、より教育コストを半分にすることなどを考えたときに、何か考えられている施策があれば聞きたいなと思いました。」

まさに弊社の抱える課題の一つに対し、野呂が続けます。
「まさにそのテーマは私が4年間、日本人向けにやってきて、すごく直面した課題でもあるので、生々しくお伝えできればと思います。」

「まさにコストがかかる部分というのは、直接質疑応答に応じたり課題を評価したりという教える側の人件費というものが大きいです。あとは設備ももちろんそうです。ただ、人件費の部分は根本的には構造を変えないといけないと思っているところです。そこの施策として『講師ロボット』というプロダクトを私たちは作っています。それは、私たちがオリジナルで作ったテキストの中で、決まった課題の評価項目について、人が今まで粗探しをしていました。ここに対して労働時間の約40%を占めまていました。」

「しかしそうではなくて、自動で評価して、聞く機会をクイックにしつつ、付加価値の高いところで気づきを与える方にシフトしていくことが必要だと思っています。そういう形をとれば、自律自走の本当に手のかかる間は耐えることができて、伸びも大きくなる。こういう形でより品質を上げることができるのではと思っています。序盤の方にかかる人件費は、自動化によって下げられると考えられます。そして運営スタイルでも変えられると考えています。」
こうして、ディープロの登壇は終了いたしました。

表彰式

Image from Gyazo

すべての企業が登壇を終え、最後は表彰式が行われました。

まず、丸紅株式会社 次世代事業開発本部 デジタル・イノベーション室長の上杉 理夫氏からは、モロッコで自動二輪車の安全確保のためのデバイスを開発し、運転手の運転履歴データを集積するCaskyへ、丸紅Awardが贈られました。

次にAsia Africa Investment and Consulting Pte. Ltd.の椿 進氏からは、エジプトで慢性疾患を抱える患者に対して、効率よく薬を発注・補充するプラットフォームを提供し、GPSとリアルタイムの検索エンジンにより、見つけにくい薬の入手場所を特定して、薬を調達・提供(HIPAA準拠)するChefaaに、Asia Africa Investment and Consulting Awardが贈られました。

最後のPwCサステナビリティ合同会社 パートナーの磯貝 友紀氏からは、ガーナでデータに基づいたオンデマンドのプラットフォームを提供し、医療提供者による運営の最適化の支援や、患者への一気通貫した手頃で信頼性の高い医療サービスのアクセス向上に貢献するHealth Direct Globalに、PwC Awardが贈られました。

TICAD7 閉会

こうして午前・午後と行われた「アフリカ・日本 スタートアップピッチ イノベーション推進&パートナー発掘」が終了し会場を出ると、他のブースでは撤収作業が始まっていました。設営準備からすると1週間に及んだTICAD7がついに終了。

国内外の出展企業やブースにお立ち寄りいただいた方など、さまざまな出会いに恵まれた1週間でした。TICAD7の期間中にご縁のできた方々と、今後新しい提携のお話が進むかもしれません。このTICAD7をきかっけに、ディープロはさらに新しいステージへ進むことになるでしょう。
弊社の日本人受講生の皆さんやクラウドファンディングのご支援者の皆さまなど、たくさんの方のおかげで今のディープロがあります。ぜひ今後とも、あたたかく見守っていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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