インタビュー

2020年2月4日

40代でエンジニア転職に挑戦!友正 常雄さんが機械学習エンジニアを志したきっかけと、その先に見据える未来

ディープロ卒業生へのインタビュー企画。今回は機械学習エンジニアコース卒業生の友正常雄さん。SIerで基幹システム導入支援に従事してきた友正さんがエンジニアをやりたいと決心した理由や10数年に及ぶ社会人経験がプログラミング学習に与えた好影響などをお話くださいました。

ディープロの卒業生としてエンジニア業界で活躍されている人へのインタビュー企画。今回は、2018年10月期の機械学習エンジニアコースを卒業し、現在はロボットやAI・IoTシステムの開発・運用を行なう会社で活躍されている友正 常雄さんです。10年にわたりSIerで基幹システム導入支援に従事してきた友正さんが「システムを開発するエンジニアの仕事をやりたい」と決心した理由や、10数年に及ぶ社会人経験がプログラミング学習に与えた好影響などについてお話くださいました。

機械学習エンジニアの仕事に興味を持ったきっかけは、囲碁界で起きた「大事件」

友正さんはなぜエンジニアになろうと思われたのでしょう?

まず人工知能(AI)に興味を持ったきっかけは、2016年3月に、Google DeepMindが開発したコンピュータ囲碁プログラム「AlphaGo」が、韓国の李世乭九段に勝利したことです。私も囲碁が趣味で有段者なのですが、まさかコンピュータプログラムが李世乭九段に勝てるなんてことは想像していませんでした。勝負をライブで見ていましたが、とても衝撃的だったことを覚えています。その「AlphaGo」で使われていた技術こそがAIであることを知って、強く興味を持ちました。

囲碁をやっている人にとっては、「AlphaGo」の勝利はそれほど衝撃だったんですね。

相当、衝撃でした。囲碁はとても複雑で難しいゲームにも関わらず、囲碁の世界で最強の人物が攻略されてしまったということから、ゲームのみならず実世界までにもAIが広がっていく未来を強くイメージしたんです。それと当時、私は財務会計システムなどの導入に関する仕事をしておりました。ユーザと開発者との橋渡しのような立場で仕事をすることが多く、プログラミング開発自体は専門としていませんでしたが、プログラミングにはずっと興味を持っていました。そのような中で「AlphaGo」の勝利を目の当たりにして、「機械学習エンジニア」という仕事に興味を持つようになった訳です。

当時勤めていた会社では、業務と別にワークショップのような取り組みをしており、私もAIに関するワークショップを立ち上げて、皆で勉強していく取り組みを始めました。ところが、リーダーとして取り組んで2年程続けたものの、やはり普段の業務と並行して学んでいくことの限界を感じるようになってしまったんです。そこで「本気でAIに取り組みたい、一定期間、朝から晩まで勉強してみたい!」と考えて、ディープロで学ぶ決断に至りました。

ディープロのことを知ったきっかけは何ですか?

2018年4月に参加した「AI・人工知能EXPO」で、ディープロのブースで代表の野呂さんとお会いしたことがきっかけです。もらったパンフレットを見たり、野呂さんからお話を聞いたりすると、まさに私が求めていた「朝から晩まで機械学習に関する勉強漬けの生活」ができそうだということがわかり、「ここで勉強したい!」と思うようになりました。それから半年程で会社を退職し、2018年10月からディープロに通い始めたという次第です。

ディープロでの学習に生きた社会人経験

ディープロで「朝から晩までみっちり勉強」してみて、いかがでしたか?

もちろん大変ではありましたが、とても有意義な時間でしたし、今思えば楽しかったです。朝から晩まで4カ月間、勉強だけに集中する生活なんて学生の頃以来、社会人になってからは初めてのことでしたから、ある意味で新鮮な体験でした。結果として、ディープロで4か月学び続けたことで、とても力がついたことも実感しています。

ディープロでの学習で良かったポイントなどはありますか?

「わからなかったことをきちんと理解できた瞬間」が毎日あったことが良かったです。ドラクエでレベルが上がるときのような感覚が、1日数回ある感じですね。これはディープロの機械学習エンジニアコースのカリキュラムが「2日間のタームで区切る」という特徴があるからだと思います。ただ、きちんと理解できていたとしても、やはり2日間という短いタームで取り組むのでは、自分のスキルとして定着するにはなかなか至りません。ですから、卒業した後も自分で復習するなりして定着させる努力も必要だと感じました。

プログラミングの学習で苦労した点はありますか?

私の場合は実装を専門としていなかったので、カリキュラムのペースについていくのに苦労しました。本当はもっと「写経」に取り組んでプログラミングを自分に馴染ませたいと思いながらも、どうしても課題を優先させないといけないという状況が多かったです。そのため、カリキュラムの各ステップできちんと基本的なことは理解するようにしていました。なので「もう一度きちんと復習すればしっかりリマインドできる」という自信を持って取り組むことができたと思います。

ディープロでの学習に際して、友正さんが工夫されたやり方などはありますか?

極力ノッている状態を維持できるように心掛けました。メンターの方からアドバイスされたことなのですが、「わからないことがあれば、そのことを書き出しする作業をしてでも手を止めない」ことも大事だと思います。集中していない状態を作らないことを意識していました。途中でどうしてもわからなくて行き詰ったら、同期のメンバーに聞くか、メンターに聞いてロスタイムを極力減らしていました。わからない状態で時間だけが経過するような状況は避けるようにしていました。ディープロに入校して最初のオリエンテーションで「成果=時間×効率×能力」だと教えていただきましたが、まさにその通りだと思います。時間当たりの学びを最大化することが大事だと思います。

人によっては、周りの人を頼るタイミングに悩んでしまうことも多いようです。その点で適切なタイミングをご自分の中で持たれていて、社会人としての経験が活きていますね。

そうですね。スクールでもこのことが話題になりました。「自分で調べて10分で解決しなければ人に聞くべきか?」などです。私は内容により異なると思います。集中して調べられているのであれば30分でも1時間でも調べたらいいし、3分調べてみて、この先1時間調べてもわからなそうだと判断したら、すぐに周りの人に聞くべきだと思います。これまでの社会人経験でこのような取り組み方が身についていたので、それがプログラミングの学習にも活用できたと思います。もちろん悩むのも大事だと思いますし、自分でいろいろと調べていくことも大事です。

ディープロの転職活動対策のカリキュラムで印象に残ったこと

Image from Gyazo

ディープロ卒業後にロボットやAI・IoTシステムの開発・運用を行なう会社に転職されていますが、転職活動に際しては、どのような考え方で取り組んでいましたか?

私は、杉村太郎さんの「絶対内定」シリーズが学生の頃から好きだったので、転職活動に際しても「絶対内定」をまた購入してそれを読みながら、いろいろと考えたりしていました。特に「自分は今後どのように働いていきたいのか?」について突き詰めて考えてみて、「機械学習を中心としたテクノロジーの力でイノベーションを起こして、1つでも社会課題を解決したい。自分が開発者としてそこに携わっていきたい」という思いが改めて自分の中で強くなりました。

その思いを元に、転職先を選ぶ際には「ディープラーニングをサービスとして提供している会社」、それが難しいなら「機械学習をサービスとしている会社」、それも難しいなら「Pythonの実務経験を身につけられる会社」といった具合に志望度を設定して活動していました。それと「AIはロボットと結びつくことでより発展すると思うし、サービスとしてもおもしろいので、そんなロボットとAIが組み合わさったサービスを行なっている会社に行きたい」と考えていました。

転職活動に際して準備したことや工夫したことなどはありますか?

ディープロでは転職活動対策のカリキュラムも用意されているので、そこで学んだことを実践していった感じです。例えばポートフォリオを作ることや、GitHubにコードを公開して見せられるようにすることなど。特別に「これ!」というものはありませんでしたが、ディープロで学んだこれらの対策はきちんと実践するようにしていました。

ディープロの転職活動対策のカリキュラムの中で、印象に残っているものはありますか?

ディープロの比賀江さんから受けた面接対策などのオリエンテーションがとても良くて、印象に残っています。特に、チームビルディングを学ぶためのゲーム「マシュマロ・チャレンジ」が、とても印象的でした。マシュマロ・チャレンジでは「まずは大きな枠組みを最短で作ってから、細かいディテールを詰めていく」ということの重要性を学びましたが、それは今の仕事でもすごく意識しています。

※マシュマロ・チャレンジの様子は、「【社員合宿】土善旅館でディープロ 夏季合宿を行ないました」の記事をご参照ください。

「AlphaGo」の勝利により衝撃を受けたときからイメージするようになった将来像を、着実に実現していった訳ですね。

そうですね!ありがたいことに、本当にやりたいと思っていた仕事に取り組めていると感じます。自分がやりたいと思っていたことに仕事として取り組めているので、例えば土日とかに仕事のための勉強をしていても、全く苦じゃないんです。

「ソフトウェアエンジニア」として強くなっていきたい

現在の会社で取り組んでいる仕事のことについて教えてください。

大きく分けて2つのことに取り組んでいます。1つは、自社が提供しているパッケージサービスのAIエンジンの開発(機械学習モデルを作る作業)です。もう1つが、ユーザ企業と共同開発で機械学習モデルを作る作業です。この2つの作業に少人数で取り組むのは結構大変なんです。なので本音を言えば、もう少し機械学習エンジニアの人が来てくれると助かるなと思っています。

将来的にやってみたいことなどはありますか?

今はまず本業である機械学習エンジニアとしてのスキルを磨いていき、強くなることが第一ですが、コンピュータサイエンス全般に対して興味がありますし、Webアプリケーションの方のスキルにも興味があります。一言でいうと「ソフトウェアエンジニアとして強くなっていきたい」と思っています。もう44歳のおじさんですけど、50歳くらいにはそうなっていたいですね!

ディープロの後輩や、エンジニアを目指して勉強されている方に対して、メッセージをお願いします。

一旦自分の中で理解できたと思ったら、その理解した内容を進捗に詰まっている同期に教えることです。人に教えるためには自分の中でしっかり理解している必要があるため、自分の頭の中を整理できます。互いに教え合うっていうことを、積極的にやってほしいと思います。アウトプットは大事ですよね。

今もディープロの同期とつながりを持っていて、入校時に作成したSlackのチャネルを使っています。わからないことがあったりすると、そのチャネルで聞いてみたりしていて、今でも「教え合う」ことを大事にしています。それともうひとつ、「ゼロから作るDeep Learning(オライリー・ジャパン)」は予習しておくことをおすすめします。この本の内容は1週間足らずで駆け抜けていくカリキュラムのスピードなので、事前にインプットしておくと良いと思います。

友正さん、ありがとうございました!

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