インタビュー

2019年12月2日

大学留年、先の見えない人生からプログラミングで大逆転! 中村勇哉さんが語る、エンジニア就職には「長期戦」で臨むべき理由

DIVE INTIO CODE即戦力コース(現Webエンジニアコース)を卒業し、現在エンジニアとして活躍する中村勇哉さん。大学留年し人生を見失い、なんとなく決めた就職先を辞退して途方に暮れていた彼が、なぜプログラミングを選択してエンジニアとして輝くことができたのでしょうか。

ディープロ即戦力コース(現Webエンジニアコース)を卒業し、現在エンジニアとして活躍する中村 勇哉さん。大学留年し人生を見失い、なんとなく決めた就職先を辞退して途方に暮れていた彼が、なぜプログラミングを選択してエンジニアとして輝くことができたのでしょうか。

内定を蹴りスクールに行くことを決意

自分の人生を見失っていた大学時代

中村さんは内定が決まっていたのに辞退されて、ディープロに入校されたと聞きました。

そうですね。
大学には通っていましたが、将来どうなりたいという具体的な目標もなく、なんとなく過ごしていました。一応、周りに合わせて就職活動をし内定をもらっていたのですが、どうしてもそのまま就職する気になれず、最終面接で結局お断りしたんです。

それはどうしてですか?

当時は目標がなく生きていて、このまま就職してその先に何があるんだろうと考えたら、先に進めなくなってしまったんです。 5年後10年後の自分を想像した時に、今と変わらずなんとなく生きている自分がいるような気がして、このまま就職しても自分は何者にもなれないと思いました。
就職は決まっていましたが、なんとなく周りに合わせていただけで、それが本当に自分の意志なのかと聞かれるとNOだったんです。

大学生活の中でそのように感じたのですか?

そうですね。実は私、大学を留年していまして(笑)留年した後は同級生もいなくなってしまったので、ひとりで過ごすことが多くなりました。先に就職した友人たちに対する劣等感もありましたし、「ただでさえ落ちこぼれている自分が1年遅れで就職したって、その差は縮まらないんだろうなぁ」と漠然と思っていました。

留年が自分を見つめ直す機会

そのような状態でディープロに入校したようと思ったきっかけは何だったのでしょう?

留年してひとりの時間が増えたことで、本を読んだり、自分と向き合う時間が多くなったんです。自分は本当は何に興味があるのか、何がしたいのかを本気で考えることが多くなりました。
その時に興味を持ったのがプログラミングです。当時はmixiやFacebookが流行していて、こんなアプリケーションを自分で作れるようになったら最高だな、と。

また当時、流行っていたドラマの影響も大きかったです(笑)IT企業を立ち上げて、数年で巨万の富を得る、というようなサクセスストーリーです。その中の登場人物の言葉で「今ここにない未来は自分で創る」というものがあり、自分の意志を貫く姿勢に心打たれました!

ついにディープロ でプログラミングデビューしたわけですね!

そうです。もちろん、心配する声や自分自身の不安はありましたけど…。でも、決心は固かったです。
自分と向き合う時間を作れたことで、今までの自分は、自分で意思決定することがほとんどなかったんだと気がつけたんです。「周りがこうするから…」という理由で自分の行動を決めていた今までの自分を変えたいと、真剣に思いました。自分の行動に自分で責任を取れる人間になろうと思ったのです。

ただ、お金が足りなかったので、入校前にまず3ヶ月働いて資金調達しましたけどね(笑)

経験したことのない感情の浮き沈み

初めて「挫折」を意識した時期

入校してからの生活はどうでしたか?

ディープロは入金をすれば受講期が始まるまでの間も先行してテキストを見ることができます。初心者だった私に、「受講前に少しでも学習した方がいいよ」と担当の方がアドバイスしてくださったのですが、全然勉強しませんでした。なぜだか自信があったんですよね(笑)

いよいよ受講期が始まって、同期との学習が始まりました。
カリキュラムをやり始めた当初は正直楽勝だと思いましたね。「やっぱ俺向いてるかも」って。でも、Rubyという言語をやり始めたところから、雲行きが怪しくなってきました。

学習が順調に行かなくなってしまったのですか?

順調にいかないどころの話ではありません(笑)多少の困難は想像していましたけど、まさかこんなに理解できないなんて…。絶望しましたね。「今までもなんとかやってこれたんだから、きっと今回もなんとかなる」という根拠のない自信は完全に崩壊しました。理想と現実のギャップを痛感しました。でもまだ現実を認めたくない自分もいる。

わからないことは時間が解決してくれるという甘い考えがあったのですが、わからないことは増えていくばかりで、どんどん追い詰められていって…。
初めて感じる絶望感でした。この頃には学習するモチベーションも保てなくなってしまい、入校してから毎日続けていた学習が初めて止まりました。それくらいキツかったです。

同期に気付かされた自分の姿

大変だったのですね。どん底の状態からどうやって抜け出したのですか?

どん底から救ってくれたのは同期です。
全然理解できないこと、学習を続ける意欲が湧かず苦しんでいることを思い切って同期に話してみました。そしたら意外と「私もだよ〜」って(笑)自分だけが理解できず落ちこぼれていると思い込んでいた私にとって、思いがけない言葉でした。「わからないところは一緒に勉強しよう」と言ってくれる同期もいて、根拠のない自信にすがりついていた自分が恥ずかしくなりました。

同期に力をもらい、また這い上がってくることができたのですね。

自分はダメなんだということを認めることができたことで、学習のスタンスも大きく変わりました。
「自分は無力なんだから、同期やメンターから思いっきり吸収するんだ!」という気持ちで、がむしゃらに勉強しました。

学習が喜びに変わった

今まではエラーが表示されたらもうお手上げで、そこから何か学習しようという気になれなかったのですが、意欲的に立ち向かっていけるようになりました。
例えば、メンターがエラーを見てデバッグする様子を観察して、そこから解決の方法を真似したり、テキストには載っていないことも自主的に調べて試すようになり、ひとつひとつのメソッドの動きを確認することでどんどん理解が深まっていくことが実感できました。

知識が増えていくと、今まで読めなかったコードも理解できるようになり、さらに楽しくなりました。自分が理解した知識を同期に披露するのも喜びとなり、同じ期の中では1番と言えるくらいまで成長できたと思います。

エンジニア就職の戦略

学習に終わりはない。更なる高みを目指す

波に乗っていたのですね。そのまま就職活動に入ったのですか?

いいえ、すぐには就職活動を始めませんでした。
卒業課題も無事制作し、それをポートフォリオにして就職活動を行おうと思っていたのですが、ディープロの就職説明会に参加して、実力不足を感じたんです。運良くこのまま就職できても、力を発揮する前にまた心が折れるかもしれないなと(笑)

なるほど。それでメンターになったのですね。

そうです。当時ディープロではパートタイムのメンターを募集していたので、ここでさらに実力をつけてから就職活動に臨もうと思いました。実際やってみると、さまざまなエラーを毎日のように解決し、業務時間外は学習することでさらに力を伸ばせましたね。
実は思いがけず教えることが楽しくなってしまって、当初の予定を大幅にオーバーして9ヶ月もメンターをしてしまいました(笑)

多方向から攻める就職活動戦略

就職活動はいかがでしたか?

いよいよ「エンジニアとして就職したい!」と思い、戦略を立て始めました。
メンターとしても経験はあるけれども、エンジニアとしては実務未経験。未経験であっても「採用したい」と思ってもらうにはどうしたら良いかということを考え、自分の知識とやる気を見てもらうためにQiitaを活用することを思いつきました。

週に1度はQiitaに投稿し続けました。投稿することがアウトプットになり、そしてアウトプットするためにまたインプットを行なう。良い循環が生まれていたと思います。投稿を続けていると週刊ランキングで上位に入ることも出てきました。これは企業の採用担当者からも高い評価をもらえました。Qiitaはエンジニアの方がよく見る媒体なので、ここで上位に入ることで他の実務未経験者との差別化を図れたと思います。

中村さんのQiitaの記事「【rails】find・find_by・whereについてまとめてみた」こちら

また、Rubyのコミュニティに積極的に参加して人脈を作ったり、Wantedlyではメンターとしての経験をアピールすることも忘れませんでした。

余談ですが、ディープロのWebサイトは受講生が作った卒業制作の例を掲載しているのですが、そこに自分の卒業制作アプリが掲載されていることも高評価に繋がりました。載せる作品に選ばれることを狙って、見た目にはこだわって作りましたから。作戦通り選ばれてよかったです(笑)

中村さんの卒業制作こちら

さまざまな努力をされたんですね。

そうですね。このような地道な努力が実を結んで、おかげさまでさまざまな企業からスカウトが来るまでになりました。

「ここに入りたい」と思える企業との出会い

現在の会社に入社を決めた理由は何だったのでしょうか?

1番惹かれたのはビジョンです。 やりたいことに挑戦できるビジョンを掲げていたんです。
社会って、やりたいことをやろうとする人間の足を暗に引っ張るようなところがあるじゃないですか。同調圧力というか、「皆が我慢してやってるんだからお前も合わせるべき…」という無言の圧力が。今の会社は、そういう「やりたいことをやろうとする人批判」を許さないビジョンを掲げていたんです。

実際にそうでしたか?

面接に行って、そのビジョンは間違いないことを確信しました。
エンジニアたちが持つ力が強く、皆、意志・信念を持って開発をしていることが伝わってきました。「自分もこの集団に入りたい」と、素直に思いました。

入社後は順調に業務に馴染むことができましたか?

試用期間中すぐに機能修正を担当させてもらいました。
環境構築で四苦八苦していて、その後すぐの案件だったので正直うまくできるか不安でした。わからないことだらけですし、先輩たちは忙しそうで聞ける雰囲気ではない。「でも事前に確認せず勝手にやって迷惑をかけてしまったらどうしよう…」と悩む時間を過ごしました。

そんな中、「エンジニアなのだからプルリクエストなら自然に見てくれるのでは!」と思い、わからないことは自分なりにまとめ、その上でプルリクエストを出しました。これもかなりの高評価で、やはり臆せずにプルリクエストを出すことって重要なんだなと思いました(笑)

成長し続けるための努力を惜しまない

試用期間後に採用された理由

正社員として採用されるために、他にも戦略を立てたとか。

そうです。まだ試用期間は続いていましたから、なんとか正社員としての採用をつかみたいと思っていたところに、フロントエンドエンジニアが退職したんです。これはチャンスと思いましたね。「ここでフロントができるようになったら採用してもらえる確度が高まる!」と。

フロントエンドというとJavaScriptなどが有名ですが、得意だったのですか?

いえ。全然!むしろ苦手でした。
そこで再びディープロの中のJavaScriptが得意なメンターに基礎を教わり、また社内の技術力アップイベントでJavaScriptのフレームワークであるReact.jsを選択して学習を始めました。こうした努力が評価されたのか、正式に案件にアサインされることが決まりました。

おめでとうございます!

嬉しかったのですが、前述の通りJavaScriptはあまり得意ではなかったので、そこからの1ヶ月は正直地獄でしたね。とにかく無心で学習しました。納期は遅れてしまったのですが、最後までやりきることができました。

エンジニア就職から1年。

エンジニアになるまで1年ぐらい時間をかけていますが、今考えてそれは正解でしたか?

そうですね。会社を選ばず、すぐ就職することもできたのですが、そうしなくて良かったと思っています。急いで就職したら、ついていけずにすぐ辞めてしまうということが自分の性格上わかっていたので。入社しても何もできないという状況が平気という人は少ないと思います。

少しでも「これならできる」という自分の武器や自信をつけてからの方が、結果的に長く続けられると思います。これってエンジニア就職以外でも言えることかもしませんね。エンジニアとして長く続けていくことを考えるのであれば、学習開始から就職までの時間を多く使うのは全然無駄じゃないと実感しています。

ディープロでは、卒業後も自習室の利用やメンターへの質問が可能なので、学び続けられる環境が整っています。他のスクールにはない特徴ですね。私も、reactがわからなくて聞きに来たことがあります!おかげで、就職までの時間を有意義に過ごせました。

これからエンジニア就職を目指す人にメッセージをお願いします。

エンジニアとして就職しようと思ったら、むやみに動き回るのではなくて戦略を立てることが大事です。今の自分のレベルが全体のどの辺にあるのかを確認して(怖いですけどね)、エンジニア就職に至る道の中で、今の自分がどのフェーズにいるのかということを意識した動きを心がけてください。

あとは、1社目に入る会社はとても大事なので、よく見極めてくださいね。1社目のあなたは、多くの可能性の秘めたエンジニアの卵です。 あなたの可能性を広げるチャンスを与えてくれる会社に入れたら、そこからの成長は計り知れません。

入社してからの自己学習も続けましょう。私は今でも毎日自己学習を続けていますが、それでも足りないと焦りを感じています。自分の上司のエンジニアも毎朝プログラミングの練習を欠かさず行なっています。

スクール在学中に勉強をするのは当たり前で、就職してからの学習にさらに力を入れましょう。 本気でエンジニアになって長く続けていきたいなら、これぐらい当たり前だと思います。

今、勉強や就職活動に苦しんでいたとしても、それがあなた自身が決めた道なら必ず乗り越えられるはずです!自分を信じて進んでください!

中村さん、ありがとうございました!

中村さんのTwitterこちら

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