ディープロ
2020年3月18日経験者が贈るストイック時間管理術と、その先に得られたもの
忙しい毎日の中で、いろいろな時間管理術を試される方も多いのではないでしょうか。今回は、ストイックな時間管理を行なった経験を持つおふたりの対談企画。スナップマート株式会社の取締役CTOの星 直史様がどのような時間管理を行なってきたのか、ディープロ 代表の野呂がお話を伺いました。
忙しい毎日を送る中で、いろいろな時間管理術を試されている方も多いのではないでしょうか。今回は、それぞれがストイックな時間管理を行なった経験を持つおふたりの対談企画。スナップマート株式会社の取締役CTOの星 直史様がどのような時間管理を行なってきたのか、ディープロ 代表の野呂がお話を伺いました。
マネをするには少し突き抜けた時間管理術かも…?他の人がどのような時間管理を行なっているのか、気になる方はぜひご覧ください。
【こんな方におすすめ】
・毎日、忙しくて時間に追われている方
・自分に合う時間管理術を模索されている方
・他の人がどのような時間管理を行なっているのか、気になっている方
【目次】
1.可処分時間を消費するものを処分した
2.自分自身が投資商品という感覚
3.まとめ
■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
スナップマート株式会社 取締役CTO 星 直史様
可処分時間を消費するものを処分した
今回は「経験者が贈るストイック時間管理術と、その先に得られたもの」というテーマで、まずは時間管理についてお話したいと思います。星さんはかなりの時間管理好きだそうで…。
好きですね。ゴリゴリにしてます(笑)
時間管理をやり始めたのが、23〜24歳くらいかな。前社のピクスタ株式会社に入って半年くらい経ったときに、「このままでいいのか、僕の人生は?」と立ち返って、行ないました。
そう思われたんですね。何かきっかけがあったんですか?
周りのエンジニアの能力が高すぎて、「自分は一生追いつけない」という危機感を覚えた
んですよ。
瞬間的に?それとも、溜まり溜まって?
溜まり溜まって、ですね。
まず、「そもそも能力が違う」というのは、入った時点で分かっていたんですけど、周りの人がやっている内容と自分の内容を比較し、成長角度の違いを比べてみたときに、自分は平行線で、その人の方が角度が上を行っていると感じたことがあったんです。
その人は新しい技術をどんどん吸収して、どんどん成長していくスーパーエンジニアだったんですけど、「この人に一生勝てない」と思ってしまったんですよ。でもそこで、「いやそんなことはないだろう…じゃあどうすればいいんだ?」と立ち返り、「やっぱり質は、どうしてもすごい人には負ける。だったら自分は量で勝負するしかない」という結論に至りました。天才的な人でも自分でも、唯一平等なのが「時間」
じゃないですか。だとしたら、「自分は最大限、時間は投資しよう」と思い、時間管理というか、時間を捻出しようとしたのがきっかけですね。
23歳のときにそのように強く思って…。
その時のことって結構覚えていますか? その時の心理状況とか。
会社にいたときの18時、冬だったんですよ、12月くらいのことです。業務時間中だったんですけど、「これではダメだ!」と思い、「仕事をちょっと切り上げます」と言って、寒空の中、公園で「どうしようかな…」ってずっと考えていました。今もすごく鮮明に記憶に残っています。
その時に「時間を変えればいいじゃん!」って思ったんです。そういう時は具体的に、「時間を変えるか」「会う人を変えるか」「環境を変えるか」など選択肢が浮かぶと思うんですけど、僕は「環境は今のままでもいい、時間を変えよう、使い方を変えよう」
と決め、どうしようか考えました。そして、「そうだ、俺テレビ観てるじゃん!」とか「ニコニコ動画見てるじゃん!」と…ニコニコ、すごく好きなんですよ。
ニコニコ好きなんですね。
はい。
好きなものとか、たくさんあるんですけど、「それを全部削ったら、どれくらい時間が捻出できるのか?」と考えるようになりました。そうすると、1日1時間くらいしか勉強できていなかったのが、「これ、4時間5時間いけるんじゃ?」ということに気付いたんですね。そして、その寒空の中、Yahoo!オークションでテレビを売ったり、アカウントも全部失効させたりして、「家から何も無くす」ということをやってみたって感じですかね。
今、聞いていて素晴らしいなと思ったのが、やっぱりその原体験を明確に覚えていらっしゃることですね。それだけ明確に認識をされたんでしょうね。
私も12年間、時間を計り始めたきっかけは、私の父が亡くなったことでした。時間は唯一、有限でかつ平等で、自分の意思でコントロールできるって思った時の風景とか、全部覚えているんですよ、鮮明に。その時にクリアになったんですね、「あ、これだ!」って。星さんにも、そんな感覚がおありだったのかなって思って、とても嬉しいなと思いました。
相当こう、「それまでの人生なんだったんだ」っていうくらい、ガッツリ時間の使い方が変わったんです。これはかなり、自分の人生の中でインパクトがあった記憶かなと思いますね。
その後、例えば私の場合は、時間を計り始めたりタイムマネジメント術の本を買ったり、いろいろなことを試し始めた時期があったんですけど、なかなか最初の頃は、すぐに結果を出せませんでした。自分の能力向上を感じるかというと、「ベストは尽くせているけど、能力は…」といった感じでした。星さんにも、まだよく時間管理の方法が分からない時期があったのではないかと思うのですが、どんなステップでどんなことをされていったんですか?
僕は性格が結構極端なんですけど…家にあるものをすべて捨てた
んですね。
テレビを捨てるのは、すごく共感します。私も捨てました。
テレビも捨てましたし、スマホも捨てたんですよ。PHSにしたんです。LINEがない。当時、だんだんとメールからLINEに切り替わってるタイミングだったのですが、LINEがあると友達と連絡したりしてしまいます。そもそもスマホって、可処分時間を明らかに消費してしまう。だから「これは止めよう」と思い、テレビとスマホを止めました。だから、ゼロに戻ったっていう感じでしたね。
それまではモノが本当に好きで、いろいろ買っていたんですけど、本当にシンプルな生活になりました。今でもそうです。なので、家にはソファ、ベッド、机、あと大量の本ぐらいしかありません。
私もマンガを捨てたり、あとは私はスマホじゃない世代だったので、携帯をよりシンプルなモデルに変えたりしたことを、ちょっと思い出しました。
「すべてのモノを無くす」っていうのが最初のステップでしたね。
次のステップが「日常の生活を疑う」
ということでした。普通に食器を洗っていたときに、「これ、時間すごくかかってるじゃん」と気づいて、食洗機を導入したりとか…。
当時、その23歳くらいの頃から始めたんですか?
キャッシングして食洗機を…
キャッシングして!?
当時、14万円くらい借金があって…
キャッシングして食洗機を買ったんですか?
はい。将来的に絶対に自分に投資した方が良いと思っていたので…
それはすごい…初めて聞きました…。
年収がすごく低かったので、食洗機は結構高かったです。
そうですよね、高級品ですよね。
「待っていたら3ヶ月〜6ヶ月くらいなんて余裕で過ぎちゃうな」って思ったら、即キャッシングして、お金を借りて、食洗機買って…そうしてルンバも買いました。掃除って、土曜日とかに1日かけたりしますよね。
しますね。
「そういうの意味なくない?今はテクノロジーがあるじゃん」って思って調べ始め、「ルンバがあるじゃん!」と思ったらルンバを買って…、23・24歳の時の財政状況はかなり悪かったですね。ただ、基本的には、僕は自分のことを投資の商品と思っている
ところがあるんです。これが2つ目のステップですね。
自分自身が投資商品という感覚
自分をメタ認知して、「自分自身をどうプロデュースすれば良いか」という考え方でしょうか?
そうですね。なので、投資するにも金融商品とかいろいろあると思うんですけど、同じ額と時間を使うのであれば、僕は「自分に最初に投資しておけば、指数関数のような曲線を描くかな」とイメージして、お金と時間を全部、自分に突っ込む生活
になっていきました。
星さんの、自分を信じるというか、自分の投資対効果を確信できるといった、その自信や自己肯定感のようなものは、どんなときに身に付いたのでしょうか?
私もよく「あなたならできるよね」などと言われたことがあるんですけど、きっと星さんも言われた経験があるんじゃないかなと思うんですが…。
1番最初のきっかけは、高校生のときに留年が決まったんですよ。とはいえ「留年はありえない!」って思っていて。
当時はやっぱりそうですよね。空気感がね。
その学校も、偏差値34とかの学校だったんですね。そこで、「留年になったらどうしよう」「やばい」って悩んだときに、3年生の授業で国家資格を取ったら単位が認定されるという、大学みたいなシステムがありました。
留年確定となったときに、「どうしよう」と解決策を模索しました。そのときに、「国家資格を取れば単位がもらえるから、ギリギリ滑り込みセーフになる」という手段に行き着いたんですけど、猶予が1か月や2か月くらいだったんですね。それは「基本情報処理技術者」という資格でしたが、そもそもITとかも知らないし、ハードディスクの回転量の計算とか言われても、勉強がすごく苦手だったので「できない」と思いました。でも、「やるしかない」と思って、実際にも資格が取れたんです。そうして僕はめでたく卒業できたんですけど、その時に「やればできるじゃん」って思える経験
をしたんですね。実際には「難しいな」と思ってたんですけど、「かなり本気を出せば、だいたいのことができるんじゃないか」って、まずその時に感じました。
その時の体験が強烈だったんですね。
そうですね。会社に入ってからも、「エンジニアとしてのキャリアをどうしようか」とか「すごくレベルの高い人がいて、自分のレベルってこんな感じなんだ」って思ったとしても、その時の「やればできるじゃん」と思えた経験が原動力になって、目標を定めてやってきたって感じですね。
なるほど。
「自分はできる」というのが、確証に変わったと思っています。
今、「私の場合はどうだったかな」と考えながら、お話を伺っていました。
私の場合は、引っ越してゼロからリセットして、そこからどう自分をキャラ変更させたり、運動部に入っていたので、もっと激しく体力を使う方向へチャレンジしたりしましたね。自分自身のキャラクターを変更させるようなことを結構やってきたんですよね。だからたぶん、星さんも「自分を変えれば何とでもできる」っていう感覚だったんだろうと思います。
キャラを変えるって結構難しいですよね?
僕自分もキャラが2回変わっています。1回目は、本当に後輩気質。「お願いします!」「行きます!」「先輩!」みたいな感じだったんですよ。でもリーダーになるって決まったときに、今みたいに髪型をピシッと上に上げました。その前までは、肩まで髪があって、クセで遊んだりするキャラだったんです。
そこから「人前に出るのであれば…」と規律を意識するようになり、ちょっとステレオタイプではありますが、「リーダー像」みたいなものを思い浮かべて、外見から入りました。まず髪型を変えて、そのあと、「論理的に話さないとメンバーは納得しない」と考えて、自分でロジカルシンキングを学び…そうして今のように落ち着きました。去年とか一昨年くらいにはストイック過ぎて、5人くらいですが、メンバー全員が一気に辞めちゃったんですよ。理由が「星さんとは仕事したくない」ってストレートに言われて…。
それはちょっと…結構重たいテーマだと思うんですけど…そうだったんですね。そんなことが…。
ストイック過ぎても、マス層には合わないだと思うんですね。
たぶん1%くらいしか通用しない…。
なので、「これは自分を変えるしかない」と思い、少し柔和な感じに変えていったんですね。そうして、また一昨年の4月くらいから、同じ会社内でキャラを変更したんですよ。
へー!そうだったんですね。
キャラを2回変えたのは、どっちもピクスタ株式会社でのことです。
1番最初に自分が入社した時の上司とかは「昔の星君と今は全然違う」と言いますし、あとは2018年3月以降に入った人は「星さんってすっごく優しいですね」という評価や意見をくれますので、僕のキャラ変は確実に成功していると思っています。
私の場合、こうチェンジしてきたのは環境要因の変化によるものがあったと思います。きっと星さんも、昔、基本情報処理技術者の資格を取られたあたりから、「何でもやればできる」といった感じがあるんだろうなと、お話を伺ってて思いましたね。
人格すら変えられますからね。
そうですよね。振る舞いを変えていって、そこから徐々に…
でもすごいなと思うのが、同じ人が周りにいるのに、自分だけ変わるって相当難しいじゃないですか。ある意味、周りが干渉したり、慣性の法則というか周りの自分に対する接し方が変わらない中、私の場合だったら、周りが変わると自分も変わりやすいことが多かったんですよ。周りが一緒なのにキャラを変えるって、すごいですね。
確実に変えられるのって「自分」じゃないですか。
たしかに「環境を変える」というのも、ひとつの手かなとは思うんですけど、自分の中では、不確実度がちょっと高いと思っています。であれば、「自分で変えられる部分からまず変えてみよう」
というのが、今回の話に限らず、生きていく上での自分の価値観としてありますね。「とりあえず自分から変えてみて、たぶん変わるだろう」という感覚がもちろんあるので、やってみている部分はありますね。
そうなんですね。実際に周りの反応も変わったんでしょうか?
はい、だいたい3ヶ月くらいすると、人の評価が変わるということがわかりました。
そうなんですね。
噂とかもだいたい3ヶ月くらいしか保たないように、自分自身を変えた時にも、2ヶ月〜3か月くらいすると、変わりましたね。人格を変えてみて3ヶ月くらいすると、「あ、いけるんだ」っていう実感があります。
そうなんですね。
副次的に出た情報と言いますか…。
わかりました。
ちょっと私もキャラを変えてみて、3ヶ月くらいかけて「なんか野呂さん変わったね」って言われるようにチャレンジしてみようかな。
でも、もしかすると、そういう何か「自分自身を変えれば何とかなる」と思えるような体験があれば、人の可能性をもっと最大限に引き出せるのかもしれませんね。
プログラミングスクールはそういったきっかけにとてもなりやすいのかなと思っています。どれぐらいのコミット具合で学習するかによると思うんですけど、結構高い金額を払ってスクールに行くと思うんですね。
そうですね。
そこで本気で学習した後に、「到達したいな」と思っていたのが、実際に到達できるレベルになったときは、自己肯定感は得やすいのかなと思います。程度差はあるかもしれないですけど、「やればできるじゃん」といった感覚は得られやすいと思いますね。
そうですね。
私も初めてプログラミングに触れた頃の経験が、まさにそうでした。まったく分からない状態から、「やれば何かできるかもしれない」と思えるようになりました。「新しいことはどんどんやればいい」と割り切れるような気持ちになったことが、自分にとってはすごく大きかったですね。「そういった体験を大切にしていく」ということが人生には必要なのかなと思いました。
ありがとうございました。
まとめ
・すべての人が、可処分時間を消費するものを処分するのは難しいかもしれませんが、1度ご自分の生活を見直してみてはいかがでしょうか?意外と、可処分時間を増やすことができるかもしれません。
・自分自身が大切な投資商品です。自分自身を変えれば何とかなることも多いですし、自分の可能性をもっと信じて、自己肯定感を高めていきましょう!
いかがでしたでしょうか?
かなりストイックな時間管理の経験談でしたので、共感できる人は少なかったかもしれません。しかし、「自分を変えてみたい!」「もっと時間の質や自分の価値を高めていきたい!」と思われている方は、自分に取り入れられそうなところから取り入れ、少しずつ変えてみるのもいいかもしれません。
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