インタビュー

2020年3月19日

DIVE INTO CODEの機械学習エンジニアコースのメンター・冨永 修司さんが単身ルワンダへ。「ルワンダ訪問で感じたエンジニアリングの可能性」

DIVE INTO CODEの中で働く方に取材をすることで、その魅力に迫るこのコーナー。今回はDIVE INTO CODEの機械学習エンジニアコースのメンターの冨永 修司さんにお話を伺いました。2019年11月に単身ルワンダへ向かい、1週間滞在して現地の受講生と交流しました。ルワンダ展開を果たしたDIVE INTO CODEですが、この渡航の主な目的は、ルワンダ校の受講生の卒業課題の採点でした。その際に冨永さんがルワンダで見聞きしたものとは何だったのでしょう?

ルワンダと日本、受講生が作るアプリの違い

冨永さんは昨年夏、単身でルワンダへ行かれたそうですね。

はい、ルワンダの首都のキガリという街に滞在しました。盛えている街なので、道路も舗装されていて綺麗で、「貧困」といったイメージはありませんでした。現地に赴く前までのイメージとは違いましたね。どこに行っても皆さん綺麗な格好をしていて、子供たちもワイワイ遊んでいて。私の先入観とは違いました。

そうなのですね。他の方から聞いていたイメージとのギャップはいかがでしたか?

聞いていたのは、クリーンで人も良く、犯罪率も低いということでしたので、その通りでしたね。「本当かな?」と疑っていた部分もあったのですが。

今回のルワンダ渡航、どのような目的で現地に行かれたのでしょうか。

目的は大きく2つありました。1つは、DIVE INTO CODEはこれまで、現地の受講生に期限を設けて技術を習得してもらおうと思って事業を推進していたのですが、それがなかなかできていなかった。そのため、その背景には何があるのかを探るということ。もう1つは、卒業課題のチェックです。

なるほど。

Image from Gyazo

ルワンダにもルワンダ人の現地のメンターがいますが、日本のメンターほどメンタリングに慣れている方ばかりではありません。
だから、ある程度は仕方がないと考えていましたが、実態を知るには調査が必要ですよね。
状況次第で、日本人メンターがテコ入れをする必要があると判断しました。

卒業課題のチェックというのは具体的にどのようなことでしょう?

前提として、ルワンダのメンターが、卒業課題のチェックをしたことがなかったのです。現地には3人のメンターがいますが、うち2人がオンラインメンター。卒業課題のアプリケーションに関して、オンラインの画面でアプリケーションを見て、作り手の意図を汲むということは難しいものです。チェックできる人間が現地に行き、隣に座って、直接現地の受講生とやりとりをしながら評価をするという工程が必要でした。とは言え、私は英語が喋れないので、もっぱら会話はGoogle翻訳でしたよ(笑) 

そうなのですね。ぜひ印象的だった卒業課題を聞かせてください。

Armel君という受講生が作ったものですね。理由は、1番最初に卒業課題も持ってきて、1番最初に合格した受講生だったこと。教育関連のアプリケーションを作っていましたね。「将来の夢はITスクールの先生」と言っていたのも印象的でした。現地の受講生の夢のスケールが大きいんですよね。「社会問題をなんとかしたい」とか「国の役に立ちたい」という姿勢が感じられました。

それは素晴らしいですね。国と個人の距離が近いのでしょうか?

そうかもしれません。どちらが良いという事はないのですが、私が見てきた日本人受講生が作るアプリケーションは比較的エンターテイメント色が強いものが多い印象です。こんなアプリがあったら楽しい、日常が便利になる、といったものですね。
それに対して、ルワンダの受講生が作るものは、「ルワンダ国民が豊かになる」という事に直結するような、本当に国の社会問題に向き合うものが多かった印象です。
例えば、先程のArmel君は教育分野を豊かするようなアプリでしたし、他にもパスポートを紛失した時にIDを入力することで見つけられるアプリなどもありました。
それから「起業したい」という人も多かった印象があります。

エンジニアリングの世界に入ったきっかけも、アフリカへの思い

Image from Gyazo

少し遡るのですが、冨永さんがエンジニアを志したきっかけを教えていただけますか?

最初は薬の開発に携わりたかったんです。

えー!それはまた別路線ですね。

はい。以前のインタビューでも話していたかもしれませんが、薬を開発するような人間になりたいと思っていました。
その理由というのは、テレビでエボラ出血熱の映像を見たこと。苦しむアフリカの子供たちのことを知り、私の中で衝撃が走ったんです。
それで、薬学部に進みたいと思っていました。進路相談の際に相談をすると、普通の大学よりもお金が必要である事を知りました。そこで親に相談をし、「もちろん応援する」と言ってくれたのですが、それがかえって申し訳なくなり…。「他の道はないかな?」と考え、エンジニアの道を知ると同時に、「社会の効率化によりアフリカの子供たちを救えるのではないか?」と考えるようになりました。

では早い段階でエンジニアを志されていたのですね。エンジニアになろうと思った時に、まずは何をしましたか?

「まず何をしたか?」というとあまり覚えてないのが正直なところです。「エンジニアリングが学べる学部に進学する」と家族や親しい人に明言してたんじゃないかと思います。
ひとつ覚えているのは、やりたいことが明確だったのに対して、今ほど情報収集が容易ではなかったことです。今程、情報収集をインターネットで行なう時代ではなかった頃でしたので、本などの紙媒体で情報収集をしました。
しかも本屋ではなく、学校の図書館だったり学校の就職コーナー的なところで(笑) そこでエンジニアという仕事や、工学部といった情報を知った気がしますね。

実際に進んでいかがでしたか?

大学での学習が実務で役に立ったかというと、私にとってはあまりそうでもないかもしれません。ただ、PCリテラシーの部分は学んでいて良かったという印象です。それと、エンジニアを志ざしているのであれば、本当のスタートは現場に入ってからだと思います。

これまで冨永さんが見てこられたうちで、優秀なエンジニアというのはどのような人でしたか?

私は設計の方の仕事に携わることが多かったのですが、手を動かすのが速いことよりも、正しくて人に伝わりやすい設計書を作れる方が仕事の進捗は速いと思っています。それと、人が伝えたいことをそのままの意味で汲み取れる人は優秀な人だとも思っています。加えて、優秀なリーダーたちは皆、本をよく読んでいたイメージもありますね。そのおかげで話の筋道の立て方がとても上手だった印象です。

なるほど。先程お聞きしたルワンダ渡航のことも、冨永さんがエンジニアを志した原体験に触れている部分になりますね。

そうなんです。「アフリカの実情をなんとかしたい」という思いがありましたから、「私が教えた受講生たちが自国の社会に貢献できるようになる第一歩になれた」と思うと、とても感慨深いです。

特に印象的だった受講生さんはいらっしゃいますか?

Image from Gyazo

Aminaという女性が印象深かったです。
渡航したばかりの頃は、ルワンダには複雑な歴史背景があるので受講生にどのように接すればいいのか、どれほど距離を詰めていいのかがあまり分からずにいました。私は課題を見る立場で現地に赴いているから、「それ以外の部分には立ち入らない方がいいかもしれない」とも考え、彼らへのアプローチの部分でずっと悩んでいたんです。
その時にAminaがフランクに話しかけてきてくれた。それで、とっても安心したんです。Aminaの歩み寄りのおかげで、他の受講生とも歩み寄れるきっかけや勇気をもらえたと思っています。

DIVE INTO CODEのルワンダでの事業は、何ができる段階まで来ているのでしょう?

すでに現地でも日本の受講生が受けているものと同じコースを受けて、卒業している受講生もいます。彼らはつまり日本人卒業生と同等のスキルを持っている訳ですよね。だから導入部分は完成したのかなと思います。
これからの理想としては、彼ら自身でスクールが回せるような環境を整えることです。それを達成した上で、自国の社会問題を解決できるようなエンジニアを輩出していければ良いなと思います。

DIVE INTO CODE で実現したい後進育成

学生時代からエンジニアの世界を志し、実際に長くお仕事を続けてこられた中で、どのようなことを学ばれてきましたか?

うーん、自分自身を知りましたね。

ほう。それはどのようなことでしょう?

就職してエンジニアになった頃、アフリカの「注射1本を届けるお金もない」という現状をなんとかしたかった。「もっと安価になったら、届くのでは?」と考えて、「物流を意識して何かしたい」と百貨店でデータセンターの仕事をしていました。けれど理想通りにはいきません。理想と現実のギャップを感じ、私は凄腕のエンジニアではなく、普通のエンジニア。そして、このフィールドで理想を実現するのは難しそうだと気づいてしまいました。そこで、「自分のやりたいことって本当は何だったっけ?これでいいんだっけ?」と自問自答を繰り返しました。それで、自分を知ったな、と。

自分のやりたいことを考えた際に、DIVE INTO CODEに結びついた、と。

そもそも、「自分は何がやりたいんだっけ?新しい技術を身につけたり、プログラムを書くことが目的だっけ?」と考えたときに、「それは違う」と思いました。エンジニアとしてやりたいことを棚卸しした時に、後進育成だと思いました。前職ではOJTなどの担当もしていました。

そうだったのですね。OJTは難しかったですか?

難しかったですね。
最初は「教えるのだから、自分がすべて分かっていないといけない」という思い込みのプレッシャーがありました。けれど、自分ができない、知らないことは悪じゃない。お互いのアドバンテージで補完し合えるような関係を作ることが大切だと気付きました。そこで、エンジニアという方向性を変えずに、転職をしました。私が凄腕のエンジニアになれないのなら、凄腕のエンジニアを育てようと思ったのです。実際に前職でも人に教えたりすることを楽しく感じていました。そのような経験を、日本でもルワンダでも活かせたと感じています。

冨永さんのワクワク感も伝わってきました!

そうですね。ルワンダ事業に関わることで、長年の夢が達成できる予感もあります。社会人になり、エンジニアになり、「アフリカの子供たちを助ける」というビジョンの近くに来ることができたのではないかと。それはダイレクトな影響ではないかもしれませんが、DIVE INTO CODEで学んだ彼らは今、間違いなくルワンダで1番のエンジニアだろうと思っています。そんな彼らが、社会問題にひとつずつアプローチしてくれるのではないかと思います。私にもまだまだやりたいこと・できること・やらなければいけないことはありますし、現地の受講生のそういったことも見極めていかなければいけないと思っています。それがメンターとしての私の役割だと思っています。

他者貢献。まさにDIVE INTO CODEのバリューですね。それを冨永さん個人でも発揮していきたいと。素晴らしいですね!
ありがとうございました。

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