ディープロ

2019年10月24日

エンジニアの趣味とプロの違いって何?

プロと趣味の違いを具体的に説明できることは、自分自身がその道のプロとして生きていけるかどうかにつながります。今回は、エンジニアを例として、趣味とプロとの違いについてお話していきます。

同じようなスキルを持っていたとしても、プロと趣味では大きな違いがあることは、何となくイメージできるでしょう。しかし、その違いを具体的に説明することはできるでしょうか?実は、プロと趣味の違いを具体的に説明できることは、自分自身がその道のプロとして生きていけるかどうかにつながります。
今回は、エンジニアを例として、趣味とプロとの違いについてお話していきます。

【こんな方におすすめ】
・エンジニアのプロとして仕事をしたいと思われている方
・プロと呼ばれるために必要な要素についてヒントが欲しい方
・プロと呼ばれるために必要なスキルの水準を知りたい方

【目次】
1.趣味とプロの違いとは
2.プロで求められる大事な要素とは
 ・相手のモチベーションを自分に投影させることの重要性
 ・相手のモチベーションを自分に投影できれば、相手の「やりたい」気持ちにも共感できる
3.プロに求められるスキルの水準
4.まとめ

■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
■聞き手
StartGate 永田 拓也

趣味とプロの違いとは

今回は「エンジニアの趣味とプロの違いって何?」というテーマでお話をお聞きします。

この違いは、他の仕事とそう変わらないのではないかと思います。趣味はお金をいただかずに「やりたい」と思う気持ちを原動力にして、他の人あるいは自分自身のために何かをするということ。プロというのはお金をきちんといただいて、それ以上の価値を相手に提供することができる人です。

「対価をいただくか、いただかないか」というところは分かりやすい違いだと思います。その他に作業の内容や行動などで、違いは出てくるんでしょうか?

私の考えを申しますと、趣味というのはあくまで「自分が楽しむこと」に集中するものだと思います。「やってみたい」という気持ちに従って、何にも縛られず自由に行動する。別のことが気になったら作業を途中で止めてそちらをやっても良い。そういったものが趣味だと言えるでしょう。

確かに趣味は、自分のモチベーションが続く限りは自由に突き進めるイメージがありますね。

自分のモチベーションに集中して、それが1番高くなるように自分の行動を考えて取り組んでいけるのが趣味の良さだと思います。一方でプロの場合は、時には自分のモチベーションに従うのではなく、対価を支払う相手のモチベーションを自分のものに変える、つまり自分に「投影」して取り組む必要があります。それがプロに求められる力のひとつだとも言えるでしょう。ただし、これは決して、自分のモチベーションを「押し殺す」という意味ではありません。「プロは我慢するものだ」という人もいますが、私はそうではないと思います。もちろん、相手と自分との間にズレが現れることもありますが、そういった場合プロであれば、相手に「なりきって」取り組むことが求められます。

プロで求められる大事な要素とは

相手のモチベーションを自分に投影させることの重要性

相手のモチベーションを自分に投影することの大事さとは何でしょうか?というのも「成果を挙げさえすれば良い」という意見もあると思うのですが、なぜモチベーションを投影することが大事なのでしょうか?

仕事を請ける際に、相手が依頼をしてきた内容が、背景にある「想い」とズレていることがあります。発注書に書き出していっても、自分が持っているはずの「想い」は抜けてしまうものなのです。プロに求められるのは、相手が持っているはずの本当の「想い」を汲み取ることです。

相手が言うとおりにやっているだけでは、相手の本当の満足は引き出せないということでしょうか。

そうです。もちろんこれは難しいことだと思いますが、エンジニアに限らず他の仕事にもいえる大事な要素だといえるでしょう。「言われたとおりにやる」というのも考え方としては正しいかもしれませんが、相手との対話を通じて「想い」を引き出すことも、やはりプロだからこそ求められるスキルです。

相手のモチベーションを自分に投影できれば、相手の「やりたい」気持ちにも共感できる

ここまでお話を聞いてきましたが、プロと趣味では立ち位置がかなり相反するもののように感じますね。

いえ、決して相反してはいないんですよ。相手のモチベーションをきちんと自分に投影することができれば、相手の「やりたい」気持ちにも共感できるはずですから。「だから必要なのか!なるほど!」といった具合に前向きに仕事できれば、楽しく仕事に取り組めると思います。これが先程「自分のモチベーションを『押し殺す』ということではありません」と言ったことの真意です。もちろん、そう簡単にできることではありませんが、まずはそれを意識して取り組んでみることが、プロとしての第一歩とも言えるでしょう。

プロに求められるスキルの水準

ここで少し話題を変えます。プロと言われるためには、どの程度までスキルを高めるべきでしょうか?

私の経験値からお話すると、フルタイムで勤務して、2年程その仕事に集中して取り組む経験を積むと「プロ」と言えるイメージをもっています。なぜかというと、そのぐらいの経験を持っていれば即戦力になってくれると考えている会社が多いからです。もちろん、人によって成長速度は異なるので、あくまで目安のひとつです。

相手のモチベーションを自分に投影して取り組めるような「プロ」になるには、ある程度の時間が必要ということですね。

そうです。加えて言えば、例えばIT業界では「SIer」と呼ばれるような大きい会社の場合は、発注主が自分からは遠い位置にいて見えづらいこともあり、その場合はモチベーションを「投影」するのが難しいことがあります。一方で、スタートアップやべンチャーであれば発注主が比較的近くなり、見えやすくなります。あくまでモチベーションの「投影」という観点のみからいうのであれば、就職先や転職先を選ぶ際には、そういった違いも頭に入れておくと良いかも知れません。

その点で言えば、逆に大手の会社だからこその良さはあるのでしょうか?

個人の「想い」の投影ではなくて、会社や組織といった大きなもののモチベーションを投影して取り組める、というおもしろさがあります。ですからこれは良し悪しではなく、あくまでそれぞれの特徴です。

今回のお話をまとめると、趣味であろうとプロであろうと「何を」モチベーションにするのかが大事であり、それぞれ立場によってモチベーションにできるものの違いがある。特にプロとして仕事をしていくのであれば、そういった点に着目して取り組んでみると良いといったお話ですね。

まとめ

・プロには、時には対価を支払う相手のモチベーションを自分に「投影」して取り組む姿勢が求められる
・相手のモチベーションをきちんと自分に投影することができれば、相手の「やりたい」気持ちにも共感できる

なぜプロはお金をもらうことができるのか?それは、他人ができないことを代わりにやってあげることができるからです。プロの仕事では、自分自身にその人のモチベーションまでも投影して、その人の気持ちや考えを理解した上で作業をする必要があります。この点が、自分のモチベーションだけで活動を続けられる趣味との大きな違いです。これはエンジニアに限らず、どのような仕事においても言えることでしょう。「自分はプロと言えるのかどうか?」これを機会に、改めて自分の姿勢を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

こちらの記事もぜひご参照ください。
■「仕事ができる人とできない人の違いとは何か?」の記事はこちら

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