インタビュー

2019年4月9日

【審査員インタビュー】今後も拡張できるビジネスアイデアを表彰。基準は「柔軟に堅実に世の中を良くしていけるアプリ」

2019年4月7日(日)にレバテック株式会社にて、DEMODAY 6thを開催。その際に審査員を務めてくださった、YassLab株式会社の代表取締役の安川 要平様にインタビューさせていただきました。

2019年4月7日(日)にレバテック株式会社にて、DEMODAY 6thを開催いたしました。その際に審査員を務めてくださった、YassLab株式会社の代表取締役の安川 要平様にインタビューさせていただきました。

審査員のご紹介

YassLab株式会社のご紹介

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YassLab 社のやること

YassLab 社ではオープンソースやそのコミュニティと共に活きるビジネスに挑戦しています。価値と対価を交換するビジネスの難しさを認識しつつも、軸足を還元に置いた働き方を大切にしています。

RailsチュートリアルやRailsガイドはその一例です。 これらのサイトは YassLab 社のみで出来上がったものではなく、原著者や翻訳協力者を含め、様々な関係者がいます。 各関係者やコミュニティへの価値の還元を前提としつつ、その中で実現可能なビジネスに YassLab 社は挑戦します。 例えば CC BY-SA で公開されているRailsガイドであればそのライセンスにしたがって実現できるビジネスを模索し、Railsチュートリアルのような著作物であれば原著者の許諾のもと実現できるビジネスを実践します。

このような関係者への感謝と還元が第一にあり、その上で実現可能なビジネスに挑戦するチームが YassLab 社です。

YassLab株式会社の企業HPこちら

代表取締役 安川 要平様のご紹介

YassLab 代表取締役。CoderDojo Japan 代表理事。未踏ジュニア PM。早稲田大学情報理工学科卒 (修士)。
米国留学中に開発した震災対策アプリのヒットを契機に、沖縄と東京を拠点にした完全リモートワーク制の会社『YassLab』を起業。RailsチュートリアルRailsガイドを開発し、AIITや筑波大学、琉球大学や工学院大学などで採用される。IPA認定未踏スーパークリエータTEDxRyukyuスピーカー、Developers Summit 2018 U-30 代表。
全国に185ヶ所以上ある子どものためのプログラミング道場『CoderDojo』を日本で始めた1人であり、未踏エコシステムの1つ『未踏ジュニア』発起人の1人。

堅実なビジネスアイデアのレベルの高さを評価

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DEMODAYの審査員をされてみて、いかがでしたか?

今日はいろいろな方々のいろいろな発表があって、皆それぞれ「やりたいことを実現したい」「こういう世の中にしていきたい」というパッションが非常に大きかったです。そういう話がいっぱい聞けて、僕自身もいろいろなモチベーションになりました。

今回は大須賀 善輝さんへ安川賞が贈呈されましたが、どのような点を評価されたのですか?

既にビジネスを進められており、そのビジネスを拡張していくスタイルを高く評価しました!

実際に薬局を運営されている方が立ち上げたWebサービスでしたが、自分がすでに課題を感じているフィールドに対して、自分が使いたいと思う、これがあったら世の中が良くなるであろうというものを作っていく…そういった地に足のついたビジネスやアプリケーション、プロジェクトでしたので、そこは本当にレベルが高いなと思いました。

審査の際に、重視されていたことはありますか?審査基準では、どのような点を意識して、採点されましたか?

今回は、DEMODAY時点での結果ではなく、変化に柔軟に対応し、今後も堅実に動き続けられるチームを審査基準としました。

他に印象に残った登壇者やアプリはありましたか?

e-AdAppter の広告サービスも、市場が大きく、伸び代もあり、良い着眼点だなと思いました。

発表単位で気になったものといえば薬局アプリでしたが、他の発表でもCtoCの部分に特化したり、マーケティングやビジネスとしての実現性とか以前に、マーケットとしての規模の大きいところを狙っている発表もあって、興味深かったです。

エンジニアリングも大学院まで修めている身からすると、最近はストライプのような簡単に決済の部分も実装できるような会社がどんどん増えてきているので、そこも含めて実装できたりすると、さらに1歩踏み込んだプロダクトが作り込めておもしろそうかなと思いました。例えば、CtoCの決済であれば、ストライプコネクトなどがあったかなと記憶しています。そういった偉大な先人たちが積み上げた新しいデータやテクノロジー、プラットフォームなだを使うと、もっと踏み込んだプロダクトになりそうかなと思います。

「楽しい」という気持ちでチャレンジし、より人生を豊かに

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普段はどのようなお仕事をされていらっしゃるのですか?

ソフトウェア開発の会社「YassLab」と、子どものためのプログラミング道場「CoderDojo」の公式日本法人を経営をしながら、IPA や経産省が関わっている「未踏事業」、およびそのエコシステムの1つである「未踏ジュニア」に携わっています。

「採用したいエンジニア」とは、どういった方でしょうか?

まず前提として、採用には会社ごとの特徴があるかなと思います。例えば A 社が「採用したい」と思った人でも、B 社はそうは思わない、といったケースはたくさんあると思います。すべての会社に共通した採用条件はあまりなくて、それぞれの会社の事業を1つずつ見極めるのが大事かなと思っています。

弊社の場合、完全なリモートワークのソフトウェア開発会社なので、文章を書く技術が求められます。書いた文章や書いたコメント、あるいはコードのコミットメッセージなどもそうですが、そういった文章が「100人読んで100通り解釈できるようなコメント」だと、「あれ、こういう意味じゃなかったの?」みたいなケースが頻発し、コミュニケーションコストが大きくなってしまうんですね。なので弊社の場合は、100人読んでも必ず1通りになる、誰が読んでもわかる、ひとつの解釈に収束するような文章を書く技術などが重要視されます。

ただし、これは完全リモートワーク制を敷いている弊社の特徴です。ご自分が行きたい会社や、やってみたい事業を運営されている会社ごとに、採用基準や判断基準が異なると思います。「これさえやっておけばOK」という条件はあまりないと思うので、ご自分の希望を明確にしながら、それぞれに対してケースバイケースで当たっていくといいかなと思っています。

御社や安川様の今後の目標をお教えください。

Railsチュートリアルのパートナー企業を増やしていくことです!ディープロ さんなどの事業会社さんなどはまさにそうですが、もしご一緒できる機会があればぜひ!

Ruby on Rails チュートリアルのサイトこちら

エンジニアを目指している方へ一言お願いいたします。

僕自身、エンジニア上がりの経営者ではありますが、経営者でありつつも、「楽しく作りたい」「新しいカタチを創り上げたい」「新しい仕組みを実現していきたい」という姿勢で常々チャレンジしています。自分の行動を振り返ってみると、「楽しいからやっている」とか「こういう社会にできると楽しいだろうな」という考えが根本にあるなと感じています。

これがエンジニアの方々の場合は、プログラミングになるのかもしれません。興味・関心の対象はそれぞれ違えど、「やっていて楽しい」「どんどんカタチになっていくのが嬉しい」「プログラミングを通して、ソフトウェアを通して、こんな社会になったらおもしろいだろうな」みたいな、そういった自分の感情を素直に捉えて前に進んでいくと、より良い人生が得られるんじゃないかなと思っています。
がんばってください。

ありがとうございました!

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