ディープロ

2020年3月27日

未経験からの転職チャレンジにおける、自己肯定感の育て方

不安がつきまとう未経験での転職。新しい環境で、どのように自己肯定感を育てていけば良いのでしょうか。ディープロ代表の野呂と、スナップマート株式会社 取締役CTOの星 直史様との対談で解説します。

不安がつきまとう未経験での転職。新しい環境で、どのように自己肯定感を育てていけば良いのでしょうか。ディープロ代表の野呂と、スナップマート株式会社 取締役CTOの星 直史様との対談で解説します。

【こんな方におすすめ】
・未経験の業界へ転職することに不安を感じている方
・自己肯定感が低いことに悩んでいる方
・自己肯定感とは何かを知りたい方

【目次】
1.自己肯定感を育てる第一歩は、「まず実行する」こと
2.自己肯定感が低い原因は、自己認識と他者認識のズレ
 ・自己認識と他者認識とのズレを埋めるために、フィードバックをもらう
 ・フィードバックをもらって、期待値をすり合わせよう
3.時間軸で考えて、自己肯定感を育てよう
4.まとめ

■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
スナップマート株式会社 取締役CTO 星 直史様

自己肯定感を育てる第一歩は、「まず実行する」こと

未経験からの転職チャレンジにおける自己肯定感の育て方や、それに対しての自己研鑽をテーマにしたいと思います。

よろしくお願いします。自己肯定感を点数にするなら、私は10点満点中100点です!(笑)

私は謙遜して10点にします(笑)

実際のところはもっと高いですか?

自分しかできないし、自分がやらないといけないし、自分ならできると思っている感じですね。

結構、似ていますね。「自分だったらできる」という感覚は私もある一方で、いきなりできるようになった訳でもないなと振り返って思います。
私はもともと、負のエネルギーを正のエネルギーに変える性格なんです。最初は「全然ダメだ…」と思うことが多いです。他者と自分を比べたときに差がある現実を見たときに、「ヤバい」と思うことから始まります。

私は幼少期に負のエネルギーが多かったんです。父親、母親から「勉強しなさい」と言われるのが嫌で、「嫌だ!」というエネルギーを勉強に向けたりとか、見返してやりたいという気持ちをエネルギーに変えたりとかしていた記憶がありますね。

私は社会人になってから同じようなことを思っています。そして、幼いときに成功体験を積めたのは良かったことでした。ソフトボールをやっていたのですが下手で、挫折しそうになっていたんです。けれど、練習する時間を増やすとだんだん上手になって、代打で出れたり、スタメンになれたりするようになっていきました。ちょっとずつ自分の中での成功体験を積むと、「過去のがんばりは間違っていなかったから、このまま続けていけば成長につながるだろう」と未来へのプロセスがだんだん見えてくるんです。自分のやり方を信じることが、成功体験へと変わっていきました

私は、幼少期は学校以外でコツコツ勉強する環境があって、そこで半強制的にやらされていました。でもそうするとテストの点数が良くなっていって、同級生よりもできるようになったり、自分でも満足できるような点数が取れたりした記憶が小学校低学年から積み重なっていましたね。

強制力がなかったら、どうなっていたと思いますか?

自ら勉強したかは定かではないですね。覚えているのは、嫌だからやったんですけど、だんだんとおもしろくなったことです。つい熱中してしまって、ハマっていく。それが習慣化につながったのだと思います。そんな環境があったからできたのかもしれないですね。

Image from Gyazo

今のお話は、大人になってからの自己肯定感のつくり方にちょっと似ていますね。
私は23歳で今の会社に入りました。開発部長とリードエンジニアという「スーパーエンジニア」が非常に賢くて、知能でも太刀打ちできないと思ったんですよね。とはいえ、そこに登りつめなければいけないという野心もどこかにあって、少しずつ学ぶ時間を投資していったんです。

今日も若手に「自己研鑽した方がいいよ」と話をしたところ、「どのくらいやったんですか?」と聞かれました。「1日5時間は普通だよね」という話をすると「僕には無理です。星さんはそのときどういう気持ちでやっていたんですか?」と問いかけられたんですね。もうこの20代は2度と体験したくないくらい、すごく辛いしおもしろくなかったのが率直な気持ちだったんです。
だけど振り返ってみると、「やっていくうちに技術力も上がって、仕事も任せてもらえるようになって、楽しいかも」と思い始めてきました。リーダーになったら周りからも承認されますし。やっていくうちに楽しくなるのは野呂さんの成功体験と同じです。まず実行に移すことで見えてくるものはあると思っています。

周りの人が圧倒的に自分より頭が良くて、すごいスピードで成長するような人たちである環境で、星さんが「やろう」と決意したのは、そういうふうになりたいと思ったのか、あるいはその状況が辛すぎて脱したいという思いだったんでしょうか。しかも、それをリーダーになるまで続けられたのはなぜですか?

「5年計画」を練るんです。人生で最初に5年計画を練ったのが18歳のときでした。

18歳で!?

そのときは人生においての計画を練ったので、「5年」ではありませんでした。長期的に自分はどうなりたいのか問い続けて人生の方針を決めて、それに向けてどうやるのかを完全に決めたのが23歳のときでした。そこから5年計画を練って、28歳のときにこうなっていたいということを決めて。28歳になったときにまた5年計画を立てて、という感じですね。

先程仰っていた、周りにできる人が多かったのは23歳のときですか?それよりも前でしょうか?

23歳のときです。人生の目標が決まっているときに、上の人を見たらレベル感や目線が全然違う。これは再調整しなければと思って、5年後を計画しました。

なるほど、そういうことだったんですね。

そうしたら、立てた目標は達成したいじゃないですか(笑) そのために目標をブレイクダウンして、短期計画に落としていくという感じですね。

自己肯定感が低い原因は、自己認識と他者認識のズレ

「達成するまでやる」ことって、自己肯定感が強い人が結果としてそうできるとも言えると思います。まだそこまで自己肯定感がない、あるいは自分に自信がないと思っている人がチャレンジするとしたら、どういうステップからやると良いでしょうか?

自己肯定感が低い人の傾向として、評価に対しての自己認識と他者からの認識にズレが起きていると思います。自己認識の方が低い人が自己肯定感が低いのです。逆に自己肯定感が高い人は、どちらかというと自己認識がすごく高い。

どちらが良い悪いではなくて、ぴったり合っているのが正しい認識ですね。その自分の認識を認知できるのかが第一ステップだと思います。特定の事象を評価するのは主観的なことだと思うんですけど、それを抜いた場合に、良い行いなのかそうでないのか、できているのかいないのかを正しく認識するのが最初のステップです。

自己認識と他者認識とのズレを埋めるために、フィードバックをもらう

Image from Gyazo

私の経験で思い出したことが2つあります。
1つ目は、私は幼少期からバイオリンを習っていたんですが、それが嫌で、できるようになることに何の価値も感じなかったことです。だからやっていることにも自信を持てなかったんですけど、ある日、同級生の前で弾いてみせたら、「すごい!」って言ってもらえたんですね。そのときに自分と相手の認識との違いに気づけたんです。そういうイメージなんですかね?

そうだと思います。
例えば、あるタスクを1週間で終えたとします。自分ではもっと早くできたと思っていたとしても、上司の期待としては1週間でできたら御の字だったら、ギャップがかなり生じているじゃないですか。その認識のすり合わせは往々にして行われません。「すごい」と思っていることをメンバーに伝えられていないとか、メンバーは全然できないと思っていてもそれは当たり前だということとか。認識のギャップが生まれているんですよね。

確かに、それが人から「すごい」と思われなければ、「もういいや」と思ってしまったり、「何のためにやってるんだろう」と感じてしまったりしますよね。フィードバックがあることで認識が合ってくるんですね。

「ギャップを埋めるような出来事があるかどうか」が分かれ目のように思います。バイオリンを弾いたときに、友達から何も反応がなければ、「ああ、やっぱりそうだよな」と思ったかもしれませんよね(笑)

たぶんそうですね。やめるのが早まっただろうと思います。仕事でフィードバックをもらう環境は、職場によってあったりなかったりすると思うんですけれども、どんな環境でも、フィードバックを自分からもらいに行くことはできるのでしょうか。

組織の運営側としては、末端のメンバーに合わせます。自分から「フィードバックください」と言える人はそうしてくれれば良いのですが、言えない人は業務遂行がうまくいかなくなる可能性を孕んでいるじゃないですか。そういう人に合わせて仕組み化する感じです。また、仕組みの整備は企業の成熟度にもよりますね。

企業側がフィードバックを大事だと認識していないといけないですもんね。

さらには、企業の体力にもよりますね。採用段階でガツガツした人を入れた方が経営コストは少ないので、フィードバックの仕組み化をする必要は短期的にはないんですよ。

フィードバックをもらって、期待値をすり合わせよう

ここまでお話いただいたことを自己肯定感の構成要素として整理すると、将来こうなりたいと描くこと自己認識と他者認識を合わせること、そしてフィードバックがもらえる環境がありました。例えば、「アラサーから始める自己肯定感強化法」があったとしたら、どうアプローチしていけば良いでしょうか?

自己認識と他者からの見解を合わせるところから始めることですね。

例えば仕事を始めて1週間経ったときに、怖いけども「僕、どうですか?」と聞いてみよう、と。そこから入っていく感じですかね。

そうですね。要は事実を握りにいくということです。自分はもっとできると思っているけれど、他の人から見たらどう思われているのか。問いかけを通して「メタ認知」をつくっていく感じですね。

自分の中だけで思うのではなくて、まずは恐れずにフィードバックをもらう。会話をしていくことですね。

これは100点なのか90点なのか、あるいは110点なのか、期待値をすり合わせることですね。どのくらい到達したら上司の期待水準に達しているのかを握りにいくことがベーシックな認知の仕方です。

期待値を合わせにいくことで、自己認識が変に下がることもなくなるし、上がることもなくなるということですね。

そうですね。期待値のすり合わせもそうですし、人によっては「そこまでがんばれない」という人もいると思います。だったらそこは話した方がいい。そうすると期待値の水準は下がると思います。そこが上司と握れていればいいですね。

時間軸で考えて、自己肯定感を育てよう

Image from Gyazo

自己肯定感とは、自己認識と他者認識の整合度合いのことですか?それとも根拠のない自信のようなもの自己肯定感なのでしょうか?星さんの中ではどういうイメージですか。

自分の中で合格ラインを出せるかどうかだと思います。それを他人に話すかは性格によるので、また別の話ですね。

そこそこの成果だったんだけど、自分で納得して相手とも期待値調整できていて、だから自己肯定感が高いケースもあるかもしれないですよね。逆に成果を出している人でも、もっと高いものを求められていて、全然自信がない可能性もありますし。奥が深いですね。
自己肯定感って、ただの自信とは違いますね。自信って、自己認識が高すぎて他者から「そんなにできていないよね」と思われるようなギャップかもしれませんし。

私の自己評価「10点満点中100点」というのは、自信過剰かもしれないですね(笑)ただ、成果に対しては消極的な評価をします。社内の自己評価では5段階中、1や2をずっと付けているんです。周りからは「そんなことない」というフィードバックを受けますが、自己認識が厳しいんです。その評価とは別に、できるかできないかの「自信」はかなり高いです。

これはなかなか難しい話ですね。

最初の話と逆のことを言ってますが(笑)

自己肯定感って、結局何でしょう?他者との認識が合うことは自己肯定感を構成する最初のきっかけなんですかね?その上で「自分はこうしたい」という未来があって、それに対して一歩ずつ行動することで、自己肯定感という経験値が溜まっていく。そういう感じなんですかね?

自己肯定感は「点」で語られることが多いのですが、実は時間軸がありますね。過去の経験・今・未来です。自己認識や他者認識は「点」の話で、評価をどうするかということです。

過去の話というのは成功体験。それが自信になるのかもしれません。成功体験を積んで「俺、いけるかも」と思えてくると未来の到達点がすごく高くなってきます。そこでまた自己認識と他者認識からの評価をすると、未来の「角度」が変わってきます。「角度」が右肩下がりになっていても、成功体験を積むことで少しずつ上げることができて、その上がった瞬間こそが「自己肯定感が高いし、自信もある」という状態になるんじゃないかと思うんですね。
だから、「ある特定のタイミングだけで自己肯定感を高めるためにはどうするのか」と一口には言えないんです。

ということは、周囲のフィードバックによって、その人の人生はいかようにも変わってしまいますね。

「リンゴにずっと肯定的なことを話しかけていたらすごく美味しくなったけど、罵倒すると腐った」みたいな話があるじゃないですか。それと同じで、マネジメントでは肯定的な意見を伝えるのが8割くらいです。残り2割が改善を求めることを言いますね。

やりがちなのが、気になったところだけ言ってしまうことですよね。でも、それだと他もダメだったのかと解釈されてしまいます。フィードバックを求めて自分と相手の認識を合わせていって、そこから到達できる未来が変わっていくそれをずっと合わせ続けていくということですね。

未来の角度は、上がることもあれば、ときには下がることもあります。それを自分で認識できるかのメタ認知は、できる人とできない人がいます。会社としては、できない人に合わせて適切なタイミングで適切なフィードバックをすることが必要ですね。

その根底には、星さんの中で「人は誰でも変化できる」という思いがあるのでしょうか?

そうですね。最初から「めっちゃできる!」なんて人はほとんどいませんから。

なるほど。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

まとめ

・自己肯定感を育てるには、「まず実行すること」が重要。成功体験を少しずつ積み重ねよう。
・自己肯定感を高める第一ステップは、自己認識と他者認識の差を埋めること。そのために積極的に周囲からフィードバックをもらおう。
・自己肯定感は「点」では判断できない。時間軸で捉えて、成功体験を積むことで目指す未来の「角度」を少しずつ上げることができる。その上がった瞬間こそが「自己肯定感が高いし、自信もある」という状態になる。

いかがでしたでしょうか。自己肯定感の育て方を理解することで、未経験からの転職を目指す勇気も湧いてくるでしょう。
ぜひこの考え方を参考にしていただき、まずは実行して成功体験を積みながら、目指す未来の「角度」を上げていってください。

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