ディープロ

2020年1月9日

徹底討論!つまるところ「自走力」って何なの?

プログラミングスクールのディープロ代表の野呂と、スナップマート株式会社の取締役CTOの星 直史様による対談企画。今回は、特にエンジニアの世界では重要な要素だとされる「自走力」について、「そもそも、自走力とは何ぞや?」という話を中心に語らせていただきます。

プログラミングスクールのディープロ代表の野呂と、スナップマート株式会社の取締役CTOの星 直史様による対談企画。今回は、特にエンジニアの世界では重要な要素だとされる「自走力」について、「そもそも、自走力とは何ぞや?」という話を中心に語らせていただきます。

【こんな方におすすめ】
・「自走力」という言葉を初めて聞いた方
・「自走力」という言葉について、いまいち意味が分からないという方
・「自走力」を高めたいと思っていても、何をどう伸ばせばいいか分からない方

【目次】
1.「自走力」を構成する3つの必須能力
 ・その1:言語化能力
 ・その2:論理的思考力
 ・その3:思考持久力
2.よりレベルの高い「自走力」を構成する能力
 ・何が何でもやり切る「完遂力」と、何もないところから課題を発見する「問題発見力」
3.まとめ

■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
スナップマート株式会社 取締役CTO 星 直史様

「自走力」を構成する3つの必須能力

今回は「徹底討論!つまるところ『自走力』って何なの?」というテーマで討論させていただきます。

「自走力」って抽象的というか、定義が難しい言葉だと思います。まず思うのは「自走力」という特定の能力がある訳ではないということです。つまりは、いろいろな能力が一定以上のレベルで備わっている状態のことを「自走力がある」と言うのだと思います。

たしかに、そのような気がします。「自走力がないよね」と言われるような人でも、「でも、ここが良いよね」といった具合に、どこか別に光る能力があることが多いように思います。では、どのような能力が備わっていると「自走力がある」と言えるのか、考えてみましょう。

その1:言語化能力

「自走力」を構成する能力として、まず「言語化能力」が挙げられると思います。

私も「日本語ができる人が、プログラムを書くことができる」という話を聞いたことがあり、とても本質を突いた意見だと感じた記憶があります。言語化ができないと、プログラミングで必須の「仮説を立てること」すらできないんです。

そうですよね。プログラミングに限らず、「言語化能力」がないと「課題設定」ができません。そういった意味で、「言語化能力」は欠かせない要素だと言えるでしょう。

その2:論理的思考力

他にはどのような能力があるのでしょうか。例えば、何かと何かの相関や因果を考えたり、あるいは構成要素をイメージする「論理的思考力」はいかがでしょうか?

「論理的思考力」も「自走力」につながる重要な能力だと思います。エンジニアの世界に寄せて言葉を選ぶならば「問題を切り分ける能力」とも言い換えられるでしょう。「どのセグメントに問題があるのか?」「その問題を構成している要素は何と何があって、どこに問題があるのか?」といったことを考えられる能力が、エンジニアに必要とされる「論理的思考力」だと思います。

私も昔、運用保守の仕事をしていましたが、問題が発生した際には、どこに問題があるのかをサーバー、ブラウザ、クライアントの端末など、すべて場合分けをして探っていましたね。スクールの卒業生と話していても、その話し方から「この人は論理的思考力があるな」と感じることがたまにあります。星さんはどのような時に「論理的思考力がある」と感じられますか?

会話をしている時に、「相手の話の内容構成がツリー構造になっているかどうか」が、論理的思考力があるかどうかの判断基準になると思っています。例えば、特定のトピックがあったときに「まずこのトピックスを構成する要素が3つ程あります」といった具合に全体像を示します。次に「そのうちの1つについて具体化すると、ここがこのように問題になっています。2つ目は…」といった具合に深掘りして話していく。このような話し方であれば、問題を構造的に捉えて、頭の中で言語化できていると感じますね。

Image from Gyazo

なるほど、確かに内容構成がきちんと整理されていれるような話は、聞いていて分かりますからね。一方で、構成がまったくできていない話も、聞いていて分かってしまいます。

ツリーからまったく別のところに話が飛んでしまうような時なんか、まさにそれですね。

その3:思考持久力

他に「自走力」を構成する能力、何があるでしょう?例えば「コミュニケーション力」はいかがでしょうか?

「コミュニケーション力」は、私は「自走力」を構成要素としては、あまり重要ではないように感じます。確かに、よく話すタイプの人と寡黙なタイプの人とを比べたら、前者の方が「自走力」があるように見えるかもしれませんが、実際には寡黙な人であっても「論理的思考力」や「言語化能力」があって、仕事上必要なコミュニケーションはとれているという人もいますから。

ぶっきらぼうであるからといって「自走力がない」とは言い切れない、ということですね。

そうです。
「自走力」を構成する能力としては、「思考の深さ・広さ」もあると思いますひとつのトピックについて、どれだけ深く考えることができるか、他に漏れがないか思考を水平に広げて考えられるか。これも大事な能力だと思います。あえて「~力」というのであれば「思考持久力」と言うことができるでしょう。

「思考持久力」ですか。なるほど確かに、考え続けることって大変なんですよね。例えばクレームをいただいたときに「なぜこうなってしまったのか」をしっかりと考え抜く必要がありますが、感情を排して考えるのはとても持久力を使います。

そうです。考え続けることは体力が要りますし、ストレスでもあるんです。私はこれを「脳に汗をかかせる」という言葉で表現します。いかに「論理的思考力」があろうとも、「思考持久力」がないと思考の深掘りができません。だからこそ「思考持久力」も必須要素となる訳です。

よりレベルの高い「自走力」を構成する能力

何が何でもやり切る「完遂力」と、何もないところから課題を発見する「問題発見力」

私も、ここでひとつ大事な能力を思いつきました。それは「期限を守る」あるいは「何が何でもやり切る」といった力なのですが、これも「自走力」を構成する能力になるのでしょうか?

自走力」を構成する必須の能力とまでは言い切れないのかなと思いますが、いずれにしろ仕事をする人間としては大事な能力ではありますよね。

「自走力」を構成する必須の能力ではないというのは、つまり「自走」と「完遂」とは異なる話だから、ということでしょうか?

そうです。私も「自走しているな」と感じるメンバーであっても「最後までやり遂げることができない」とも思ってしまうことがあるんです。大事な能力であることは間違いないですが、「完遂力」を「自走力」の構成能力と考えるかどうかは、人によって変わる微妙な部分だと思います。

それともうひとつ。先に挙げた「論理的思考力」の話の中では「問題を切り分ける能力」の話が出ましたが、そもそも何もないところから課題を発見して解決まで導くことができる「問題発見力」がある人と、与えられた課題に対してのみアプローチできる人とがいます。どちらも「問題」に対する能力という点では同じですけど、レベルが違う訳ですよね。このように、その人がいるステージによって、求められる「自走力」のレベルも変わってくるということも大事な点です。

ありがとうございます。ここで今回のお話をまとめると、「自走力」を構成する必須能力としては「言語化能力」「論理的思考力」「思考持久力」といった力が挙がってきました。また、レベルによっては「完遂力」や「問題発見力」といったものも求められてくるという討論の流れでした。今回の討論の中では「コミュニケーション力」は「自走力」の構成能力ではない、という話もありましたが、「コミュニケーション力って何でしょうか?」という新たな討論の種も、私の中で出てきました(笑)

そうですね、例えば自分の中でコミュニケーションの目的を設定して、それを達成できるような力が「コミュニケーション力」と言えるかなと思いますが…それも今度、別の機会にお話できると良いですね(笑)

ぜひ、お願いします!今回はありがとうございました!

ありがとうございました。

まとめ

・「自走力」を構成する必須能力は「言語化能力」「論理的思考力」「思考持久力」。これらが高いレベルで備わっている人を「自走力がある人」と言う。
・よりレベルの高い「自走力」に必要なのは、何が何でもやり切る「完遂力」と、何もないところから課題を発見する「問題発見力」
・その人がいるステージによって、求められる「自走力」のレベルは変わってくる。

エンジニアの世界では重要だとされる要素である「自走力」とは、実は「言語化能力」「論理的思考力」「思考持久力」といった能力が備わっている状態のことであり、よりレベルの高い「自走力」には、何でもやり切る「完遂力」と、何もないところから課題を発見する「問題発見力」なども必要とされる。これが今回のまとめです。「自走力を伸ばしたい!」と考えている方は、まずは「言語化能力」「論理的思考力」「思考持久力」を高めるところからチャレンジするよう、心がけてみましょう。

星様との対談記事は、こちらもご覧ください。
■「ひとつの言語だけ使える人、未熟にも複数言語を勉強している人」の記事はこちら

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