ディープロ

2019年10月6日

MBAとプログラミングならどちらを学んだほうがいい?

MBAを修得しプログラミングスクールを立ち上げたという異色の経歴をたどってきたディープロ代表・野呂が、MBAを修得することで得たメリットと、プログラミングとMBAとの重要な関係性について解説していきます。

ディープロ代表の野呂は、MBAを修得しプログラミングスクールを立ち上げたという、少し異色の経歴をたどってきた人物です。そこで今回は、敢えて「MBAとプログラミング、学ぶならどちらを選ぶべき?」というテーマ設定をし、それぞれの良さについてお話させていただきます。

【こんな方におすすめ】
・MBAで学ぶことに興味がある方
・プログラミングを学ぶことに興味がある方
・社会人になってから新しい分野の知識を身に付けたいという意欲が出てきた方

【目次】
1.MBAではどのようなことを得られるのか
 ・MBAで学べるのは会社の経営者などが押さえておくべき知識
 ・MBAで学ぶことのおもしろさとは
 ・MBAで得られるのは知識だけではない
2.MBAとプログラミングは「どちらが良い」というものではない
3.まとめ

■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
■聞き手
StartGate 永田 拓也

MBAではどのようなことを得られるのか

MBAで学べるのは会社の経営者などが押さえておくべき知識

今回は、MBAを修得した経験とプログラミングスクールを設立した実績を持つ野呂さんに「MBAとプログラミング、学ぶならどちらの方が良い?」というテーマを設定してお話を伺いたいと思います。

この2つは並び立てて比較するものではないのですが(笑)

仰るとおりですね。それでも敢えて、それぞれの良さなどをお聞きできればと思います。まず、そもそもMBAとは何の略なのでしょうか?

MBAは「Master of Business Administration」の略です。Business Administrationは日本語でいうと「ビジネス管理」。つまり「ビジネス管理者の修士号」という意味になります。日本では「経営学修士」と言いますね。大学院でMBAのコースに所属すると、マーケティングやオペレーション管理、あるいはファイナンスなどの企業活動に必要な知識すべてを幅広く学びます。会社の経営者、CEOやCOOなどのCXO役職の人が押さえておくべき知識をバランスよく学び修得しましょう、という学問です。

MBAと聞くと、すごくハードルが高いイメージがあります。

確かに、学ぶ範囲が広く、かつ学ぶ量も多いです。ですから、起業や会社運営などといったことに強い興味や課題意識を持っていないと、途中で何がなんだか分からなくなってしまいます。これは私の経験則ですが、MBAを修得するにはパートタイムで学習して2〜3年間、フルタイムで学んでも丸1年ぐらいはかかるイメージですね。

MBAで学ぶことのおもしろさとは

MBAで学んでいるときに、壁を感じたことはありますか?

私はあまり壁は感じませんでしたし、学ぶことすべて「おもしろい!」と思いながら取り組んでいました。私が通っていた大学院では基本的に授業内容がケーススタディ中心で、いろいろな年齢や背景を持つ方とディスカッションしていました。例えば会社の中だけだと、どうしても似たような考え方や意見、価値観を持った人の集団になりがちですが、MBAでは全く違う分野の、異なる考え方などを持った人たちと議論ができます。そういった議論を経験すると、自分の考え方などを改めて明確に持てるようになるんです。その感覚がとても楽しいんですよ。

では、MBAを修得したことで、自分の中で「変わったな」「学んで良かったな」と感じたことはありますか?

まず、視座が上がり、対話を恐れなくなりました。というのも、組織や集団に属している人たちにはそれぞれの立場があり、コミュニケーションをとる時にはそれぞれの立場に立って物事を考える必要がある、ということに気づけたんです。

「それぞれの立場に立って物事を考える」ですか。詳しく教えていただけますか?

例えば、「タスク重視」ではなく「対話重視」で考えるということです。組織にいるメンバー全員に役割に応じたタスクが振り分けられたとして、全員が同じ時間やクオリティで作業できる訳ではありませんよね。そこで「自分のタスクだけをやれば良い」と割り切ってしまうのが「タスク重視」の考え方です。もちろん、組織の一員として責任を負うという意味では、これも大事な考え方です。一方でより大事なことは、組織として成果を出すということであり、そのためには組織のメンバー全員でその成果に向かって連携して取り組んでいく必要があります。だからこそ、タスクを超えて、目的を共有しながらコミュニケーションをとる「対話重視」の姿勢がより求められる訳です。

MBAで得られるのは知識だけではない

MBA修得を経て得た経験は、実際にどのように生かされるものなのでしょうか?

まず前提として、MBAの修得を目指す人というのは、企業の中である程度高いポジションを任されており、金銭的にも余裕があるので新しいチャレンジをしたい、という方が多いんです。世の中に新しい価値を創造したい、より良い仕組みに変革したいという志を持つ方々と、接点を持ち、議論しあい、時には応援してもらえることはとても心強いものです。例えば、私が先日「アフリカにIT教育と雇用を届ける」ためのクラウドファンディングを募った際には、調達金額の約3割がMBAで繋がりを持った方からのご支援でした。このようなお互いにチャレンジを応援しあえる関係をつくることができたのも、将来に活きる大きな財産だと思います。

MBAに入学する時点では自分のレベルアップを考えている方がほとんどだと思うんですけど、一緒に時間を過ごしていく中で、仲間意識が強くなっていく訳ですね。

MBAの良さについてまとめると、経営者になりたい、経営幹部になりたい、あるいは起業をしたいという方にとっては、押さえておくと良い知識をしっかりと学べるので、とても良いと思います。何より、経営者に必要な知識や視座が多少なりとも理解できるようになります。MBA修了後に会社に戻ると視座が上がり、新規事業創造や業務の変革を推進できるようになるという点が1番良いところかもしれませんね。

MBAとプログラミングは「どちらが良い」というものではない

一方で、今回のテーマとしてもうひとつ取り上げている「プログラミング」」については、これは自分の新しいスキルを手に入れる、という感覚ですよね。ここまで聞いてきた内容を考えると、やはり「どっちが」という話ではなく、どちらも長所がある、ということですよね。

仰るとおりで、基本的にはこの2つは並べて比較するものではないんです。
その証拠に、ハーバードビジネススクールや日本のMBAなどでも、プログラミング等のテクノロジー分野の科目をカリキュラムに入れていく動きが積極的になっています。なぜこのような動きが起きているのかというと、それは現在の経済社会ではIT技術によりGAFAのように富が一点に集中するほどの状況を創り出せることができ、その状況を打開したり、新しい価値を創造するためにはテクノロジーの力が必須だからです。実際に、テクノロジーの力が強い企業等が、既存の大企業などを打ち負かしてしまった事例もすでに起きています。ですから、テクノロジーの分野の知識も学ぶ、いわば「新MBA」とも呼べるカリキュラムが登場してきている訳です。

テクノロジーの分野の知識も学ぶ「新MBA」ですか!

そうです。今は、私たちはプログラミングスクールでプログラミングを教えていますが、新しい産業を生み出すという意味では、会社や組織の中心となるようなITエンジニアを育てることが必要です。そのためには、プログラミングに加えてビジネスを理解してもらうカリキュラムをつくっていきたい。そうでないと今後、私たちは「プログラミングを教えているだけ」の存在になってしまい存在意義も薄れていってしまうので、そういった意味では危機感も抱いています。

良い包丁(ITスキル)を手に入れるのはもちろん大事だけど、その包丁を使う目的(ビジネスマネジメント)もしっかりと理解しないといけない、という感じでしょうか。

そうです。だからこそ、今回でいえばプログラミングとビジネスマネジメントとを分けて考えるのはあまり良くないんです。それらが融合することで初めて、新しい産業や価値が生まれてきますから。幸い、私自身はどちらもある程度の基本は学ぶことができましたが、ITスキルとビジネスマネジメントの両方の知識を十分に備えた人材というのは、まだ世の中にはそう多くありません。ですから今後、そういった人材が増えていくのが社会的にはとても望ましいことだと思っています。もちろん個人にとっても、キャリアをしっかりと築き上げていく上では重要なことだと思います。

まとめ

・MBAでは会社の経営者などが押さえておくべき知識を網羅的に学べる
・MBAで得られるのは知識だけではない。MBA修得を通じて得た信頼できる人間関係も大事な財産
・最近は、プログラミング等のテクノロジー分野もカリキュラムに組み込んだ「新MBA」も登場している
・MBAとプログラミングは「どちらが良い」というものではない。ITスキルとビジネスマネジメントとが融合することで初めて、新しい産業や価値が生まれる

今回は、敢えて「MBAとプログラミング、学ぶならどちらを選ぶべき?」というテーマ設定をしましたが、結論としては単純に比較することができないために「どちらが良い」ということもできません。特に今後は、ITスキルとビジネスマネジメントとの両方を兼ね備えることで、新しい産業や価値を生み出すような人材が生まれることが、社会的な要請として期待されています。記事内でもご紹介したとおり、最近はプログラミング等のテクノロジーもカリキュラムに入ったMBAも登場してきているので、MBAとプログラミング両方に興味がある方は、ぜひ調べてみてください。

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