ディープロ

2019年9月21日

AIによってプログラマーは近い将来必要なくなる!?

今回は「AIによってプログラマーは近い将来必要なくなる!?」をテーマに、プログラミングスクール代表の視点からお話します。AIの進化がもたらすプログラマーの仕事の在り方はどのように変化するのでしょうか。

AIの登場と進化によりなくなる仕事という話題は、さまざまな業種において語られるテーマです。そしてこれはプログラミングの世界でも同じことでしょう。今回は、プログラミングスクール代表の視点から、AIの進化がもたらすプログラマーの仕事の在り方の変化についてお話します。

【こんな方におすすめ】
・これからプログラミングについて学ぼうとしている方
・AIの進化が少しでも気になっているプログラマー
・AIに自分の仕事を奪われる可能性を危惧している方

【目次】
1.AIの進化によりプログラマーの仕事が変化していく未来
2.プログラマーの仕事の将来像
3.100年後のプログラマーに求められる考え方
4.まとめ

■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
■聞き手
StartGate 永田 拓也

AIの進化によりプログラマーの仕事が変化していく未来

今回は「AIによってプログラマーは近い将来必要なくなる!?」というテーマでお話を伺います。例えば、AIが自動でコードを生成してプログラミングをしてしまう、ということが起きるのではないか?という話もあるのですが、いかがでしょうか?

現在「プログラマー」と呼ばれている仕事が今後も続くのかということについては、「変化をするだろうな」と思います。どのように変化するのかというと、例えばすべてのコードを自分で書く、という作業からは解放されていくのではないでしょうか。「こういった機能を作りたい」と指示すれば、AIが選択肢を提示してくれたり、推測してコードを書いてくれる、といったことができるようになっていくと予測しています。

それは具体的にどういうことでしょうか?

これまでのコンピュータサイエンスの歴史を考えてみたときに、古代の文明では水や太陽光を使って時間を計算していました。今は、それらは「計算機」という機械に置き換えられており、誰でも計算が簡単にできるようになっています。プログラミングの世界でも、最初は「アセンブラ」のようなマシン語に近い言語が使われていたのが、だんだんと人間の言葉に近づいていき、多くの人がプログラマーとして仕事ができるようになりました。今後は、いろいろなコードの集合知からAIが「このように書いていくと良い」といったような予測をしてくれるようになるでしょう。

それはつまり、プログラマーの仕事がAIに取って代わられる、ということでしょうか?

「何を書く必要があるのか」という作業が自動化できたとしても、「何を作るべきなのか」をAIが考えるようになることは、少なくとも近い将来のうちは難しいでしょう。人間は、誰かが問題提起をして、そこから皆で問題解決に取り組みますよね。この「問題提起をする」という作業は、人間の仕事として残ると思います。それが、プログラマーと呼ばれる仕事の新たな役割になるのではないでしょうか。

そもそも、「AIが生成するコードは何のためにあるのか?」ということですよね。それは少なからず人間のために作られているものであって、その点においてプログラマーの果たすべき役割がある、と。AIが「人間のために作る」という視点を持ち始めたとしたら、それはもう別の世界の話になってしまいますね。

そこまでいってしまったら、今回のテーマの範疇を超えてしまいますね。

プログラマーの仕事の将来像

今すでに「GitHub」などのプラットフォームでソースコードがオープンにされており、人間の集合知、つまりコードのデータというのが大量にストックされています。そういった過去の人間の英知を取りまとめて推測することは、AIには容易にできるはずなので、プログラマーはコードを書く作業から解放されるようになると思います。

仕事を奪われるのではなく、作業から解放される、という考え方ですか。

ただ、これには移行期間が必要だと思います。まず、そのようにしてAIが書いたコードを「正しい」と判断することは人間の仕事として残るでしょう。また、これもある程度自動化されたとしても「こういうインプットがあれば、こういったアウトプットが出てくる」という部分は人間が集中的にチェックしなければなりません。これは今は、ソフトウェアの品質チェックという職種の人たちがやっている作業ですが、こういった作業もしばらく残ると思います。さらに、このチェック作業が自動化されたとしても、先程もお話したとおり「何を作るべきなのか」を考える作業が残り続けます。この、いわば「目的定義」をするのがプログラマーの仕事になっていくと思います。

そう考えると、プログラマーという職種はハイレベルになっていくのかもしれませんね。

今後はAIがもっと表に出てきて、プログラマーはそのAIと会話をして意図や指示を伝える、という役割も担うようになるかもしれません。そのまま発展を続けていくと、AIがコンシューマーと直接コミュニケーションをとるようになるかもしれないですね。

100年後のプログラマーに求められる考え方

ここまでのお話をまとめると、「プログラマーの仕事がなくなる」という悲観的な見方ではなく、あくまで「仕事の内容が変化をしていく」ということですね。

そうです。昔は馬車だったものが自動車になって、自動車だったものが違うものになって…といった具合に変わってきたように、人間にとってより便利になる方向で変わっていくと思います。あくまで、それまでできなかったことができるようになるだけです。

そうしたら、人間は違うところで力を使うようになるのでしょうか。ただ、極端な未来を描くとすると、「人間がAIに使われる」みたいな現象も出てきそうな気もしますが?

そうですね。ただ、それは今もあるのではないでしょうか。情報化社会の今も、「情報を作る人」と「情報によって動かされる人」に分かれてしまっていると思います。

なるほど…。それこそ、キュレーションメディアや広告なんかもそうですね。

ですから、人生においては「どうやって価値を生み出せるか」というところに焦点を当てることと「受け身になり過ぎない」という考え方が大事でしょう。今回のお話をまとめると、今のプログラマーの仕事は、100年後にはなくなっていると思います。

一方で、プログラマーの仕事の領域が変わったり、違う形の新しい職種が生まれたりする可能性もあるということですね。

そうです。より生産的な部分に、人間が価値を発揮しやすくなると思います。

まとめ

・AIの進化によって、プログラマーは「コードを書く作業」から解放される
・プログラマーの仕事は、プログラムの目的定義やAIとのコミュニケーションといった作業へと変わっていく可能性がある
・人間がAIに使われることを避けるには、「どうやって価値を生み出せるか」を考え、「受け身になり過ぎない」ことが重要

今回は、「AIによってプログラマーは近い将来必要なくなる!?」をテーマにお話してきました。「コードを書く」という作業こそAIに任せていく将来像が想像できる一方で、そもそもどのようなプログラムを作るべきかを考えたり、あるいはAIとの会話役といった役割へと、プログラマーの仕事は変遷していくと予測できます。

プログラマーに限らず、AIの登場と進化によりなくなる仕事と残る仕事という話題は、さまざまな業種において語られるテーマです。確かに、近い将来いくつかの仕事がなくなることは予測できますし、それは過去にも実際に起きてきたことです。重要なことは、自分の人生において「どうやって価値を生み出せるか」を考え、「受け身になり過ぎない」こと。そうすることで、世の中が大きく変化していく中でも、必要とされる人材であり続けることができるでしょう。

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