インタビュー
2019年6月17日「プログラミングできないエンジニア」からの転身。軸を定めて戦略的に転職活動へ臨むべし!
ディープロ卒業生の中から、すでに就職して活躍中の人をピックアップ。2017年5月に入校し、半年間の即戦力コース(現:Webエンジニアコース)で学んだ野尻稔彦さんに、エンジニアとしてのキャリアを「軌道修正できた」経緯について伺いました。
ディープロ卒業生の中から、すでに就職して活躍中の人をピックアップ。2017年5月に入校し、半年間の即戦力コース(現:Webエンジニアコース)で学んだ野尻稔彦さんに、エンジニアとしてのキャリアを「軌道修正できた」経緯について伺いました。
手を動かすエンジニアになりたい
野尻さんはもともとエンジニアだったのだとか?
……そうなんですけど、皆さんがイメージされるエンジニアとは少し違うものでした。
どういうことでしょう?
前職で携わっていたのはいわゆる上流工程。要件の調整に携わっていた程度で、基本設計からシステムを作る部分は外部のベンダーにお任せしていたんです。5年ほど務めるうちに、「もっとものづくりに近いことがしたい。手を動かし、設計から入れるようになりたい」との思いがムクムクと顔を覗かせてきました。もっと、自分が思う「エンジニアらしい仕事」がしたいと。
職場に不満があったわけではありません。金融系サービスの最上流工程でしたから、それはそれでやりがいもありましたし、合う方にとっては魅力的なお仕事だったと思います。また、入社当初はプロダクトを作りたいという思いすらなかったのに、次第に物足りなくなっていったんですね。
それで、本格的にプログラミングを勉強しようと週末は渋谷のディープロに通い始めました。渋谷は帰宅経路ではなかったんですけど、わざわざ遠回りしてでも通いました。
なぜディープロに決めたのでしょうか。
最初にたまたまネットで見つけたのがディープロだったというのもあるのですが、代表の野呂さんに会って話を伺うと、考えがとてもしっかりしていました。
ディープロは良いことだけを言わない
Rubyに出会ったのは初めてだったんですけど、なぜRubyを勉強するのか論理的に説明してくれたし、一般的に就職を斡旋する企業などは良いことばっかり言いますよね。ところが代表の野呂さんは「実務経験がないと大抵は失敗する」と、厳しいことも教えてくれました。その正直な姿勢が信頼できたんですよね。
Ruby on Railsは当時からいろんなサービスで使われていましたし、この言語なら当分は食い扶持に困らなそうで学習コストも低そうだなと思えたので、それを学べるコースに入りました。
即戦力コース(現:Webエンジニアコース)ですね。どのように勉強していましたか。
当時はディープロの自習室の規模がまだ小さくて混んでいたため入れず、カフェに行って自習をしたり、電車の中でPCを開いてまで勉強したり。仕事との両立だったので大変でした。
大変な中でも、最も困難だった点はどんなことでしたか。
大きくいうと2つありました。
1つ目は、勉強時間の確保です。
繰り返しになりますが平日は働いていたので、遅くなると22時に会社を出ているなど、時間を捻出するのに苦労しました。また、片道1時間半かかる家に住んでいたので、電車の中は勉強タイムでした。あとは土日祝日でがんばるしかなかったです。
2つ目は、カリキュラムの中に「アソシエーション」というのがあるのですが……。簡単に説明すると「リレーションを立てるプログラム」で、1つのデータに対して複数の参照が必要で……。割と皆さん、ぶつかる壁の1つです。
難しそうです。その壁はどう乗り越えたのでしょうか?
図を書きながらイメージを確かめたり、テキストを何度も当たったり。ただし、メンターにはそこまで質問せず、細かめで深めなところのみを聞いていました。
学習コストを下げる工夫
私の考えでは、分からないところを放って置くとあとからボディーブローのようにジワジワと効いてきます。だから、分からないと思ったり、一番知りたいと思ったりした瞬間に理解しておけば私の場合は記憶の定着が深い。トータルの学習コストが低くて済みます
。
なるほど。学習効率を常に重視しているのですね。野尻さんは戦略家の印象です。転職活動については、どのような「戦略」を練っていたのでしょうか。
入校する前から転職を視野に入れてはいましたが、コードを書く力を身に着け、それを示せる卒業制作がポイントになると考えていました。アウトプットとして見せるものがないと、辿り着きたい就職へは到達できないだろうと。
どんな卒業制作を?
……実際は、お仕着せのやつを作りました(笑)。カリキュラムに例として載っているイベント管理システムで、イベントを投稿すると参加登録やコメントのやり取りができるものでした。本当は自分のアイデアで創りたかったのですが、2カ月延長もしていて時間がなく焦っていたこともあり、そのようなカタチになりました。
そして満を持して転職活動をされるわけですね。
はい。戦略というか方針としてはまず、Rubyを使っている企業であること。また、SIerの世界から離れたかったので受託ではなく、事業会社で自社開発をしている企業であること。作っているプロダクト自体はそこまで重視していませんでしたが、中で働く人々の人柄は見ていました。伺った際の社内の雰囲気を見て、活気がないと感じた企業は避けました。
また、結婚を考えていた時期だったので最低限の福利厚生がある企業である点も重視して、バリバリのベンチャーだとそれがないので避けました。
今の会社の決め手はどんなところだったのでしょうか。
さまざまな点で、自分の求める条件に合っていました。Rubyを使っているし、やる気があればインフラ回りもアプリ側も携われることが魅力でした。
自分の強みと優先順位を整理
また、SIer出身のため管理業務に強みがあった点を軸の1つとしてアピールしていたため、必然的にお客様と対面で話す機会の多い会社が選考に残りました。最後の決め手は雰囲気ですね。技術にも明るいメンバーが多い良い会社だと感じた点です。
面接では卒業制作などのアウトプットを中心に、SIer時代にJavaで書いていた経験もある点や現時点で勉強していることなどをアピールして、最終的に採用されました。
その中でどこを最も評価されたと感じていますか。
意欲や伸びしろではないでしょうか。その時点での技術力は高くないと思われていたはずです。それでも諦めず、「興味を持っていろいろなことを勉強しています」アピールをしたり、意欲を示したことが功を奏したのではないでしょうか。たとえばRubyのいわゆるチェリー本で勉強していましたから、その点をアピールしました。
今の業務内容は?
2018年7月に入社してから9カ月が経ちました。業務は、エンジニアとしてお客様とお話をして要件を決め、基本設計を行います。それをイシューに分割し、GitHubに登録。設計から開発、テスト、リリースまで携わります。
当社のサービス内容は音楽の著作権管理なので、その業務をサポートするWebシステムの改修と運用です。そのため、入社してから数カ月間は著作権や契約などに係る業務理解に費やしました。
就職後も日々勉強
当社の場合は業務内容が分かっていないとエンジニアとして仕事になりません。しかもエンジニアリングに関してもほぼ経験がなく、全てが初めてのことでしんどいです。
さらにフロントサイドの知識が足りず、JavaScriptやCSS をもっと勉強しておけば良かったと後悔しています。サーバー管理のLinux運用、NoSQLなども苦戦中です。
ただ、前職と違って手を動かす機会も多く、もちろんそれを望んでいたのですが、コード触らない日はありません。それが達成できて良かったです。
ディープロで学んだことは就職に役立ちましたでしょうか?
アソシエーションとRailsの知識、AWSのさわりの知識があったのは良かったです。入社面談ではまさに技術寄りの質問を多く聞かれたので。カリキュラムをちゃんと読んでおいてよかったと思います。
今後の目標をお教えください。
「自分で設計をしてリリースする」をまだ経験できていないため、イチからお客様と対話してリリースまで持っていく一連の経験と感動を味わいたいです。
さらに先の目標では、小さなチームをマネジメントでき、プロダクトを作れるリーダーになりたいです。サブ機能を作るだけではなく、大きめな単位の仕事に携われればと。
エンジニアはラクではないがやりがいを感じる
ディープロへ入校を検討されている方、エンジニアを目指している方へ一言お願いいたします。
計画性を持って、コツコツと勉強と受講を進めることがすごく大事です。
というのは、勉強に間を開けると、記憶定着率の面で効率が悪い
からです。
加えてお伝えしたいのは、エンジニアの仕事は決してラクではないということ。就職してからも日々勉強することばかりです。ただ、そうしたツラさがある一方で、自分でものを作り、誰かの役に立ち、お礼を言われることはとてもやりがいを感じる仕事だと思います。
卒業生同士のつながりはいかがですか。
仲が良かった卒業生同士で情報交換していますし、最近はALUMNI(アラムナイ)というディープロの卒業生コミュニティが始まったので、ぜひ参加したいと思います。卒業生同士で話すと、異なる業界に散っていった同期メンバーからとても刺激を受けます。
これからもディープロで得たつながりを大切にして交流の場に参加したいですし、皆さんもそうされることをおすすめします。
あとは、自分の軸を持つこともおすすめです。自分の場合は、「新しいこと、人が喜んでくれることが好き」なので、今の仕事がピッタリ合っています。そうした軸があると、さらに職場を選びやすくなるのではないでしょうか。
ありがとうございました!