インタビュー

2019年05月01日
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DIVE INTO CODEの平井真司さんに聞く! エンジニアリングを学習しなかったことで、経営者として味わった地獄とは?

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DIVE INTO CODEの中で働く方に取材をすることで、その魅力に迫るこのコーナー。今回はDIVE INTO CODEの平井真司さんに話を伺いました。平井さんのエンジニアリングとの接点、そして今考えていることとは?

エンジニアを知らない経営者から、「エンジニア」へ。その転換の背景にある失敗体験とは?

エンジニアとしての就業体験について教えてください。

実はエンジニアとしての就業経験はないんですよ。前職では経営者をやっていました。プログラミングができなくて、月50万円で発注をしていたんですね。

エンジニアリングを学習するよりもスピードを買うなら、エンジニアを雇うことだ、と考える経営者もいますよね。

はい。ですが、実際にそれでやってみたところ、エンジニアと会話ができなくてトラブルになることが多かったんです。こちらからすると、画面1個を変えるような簡単に見える修正が、実はテーブル構造から変えないといけないような難しいものであることもありました。その結果、エンジニアが辞めてしまったんですね。「今の予算ではこれ以上は対応できません…。あとはご自身で行なってください。」となり、開発が終了してしまいました。

凄まじい体験ですね。その時の開発していたプログラムはどんなものだったんですか?

言語はPHPでフレームワークがCakePHPを使っていました。ですが、まず開発環境自体作れないので、そもそもプログラムを動かせないんですよ。あるのはソースコードだけ。これは絶望的でした。

その後どうされたんですか?

仕方ないので、そこからプログラミングを独学で学び始めました。独学で本来、1ヶ月かかる位の勉強量を1週間程度で達成したりしましたが、エンジニアに聞いたところ、現場で使えるものではなかったんです。もくもく会に行ったりStack Overflowを見たりもしましたが、自分の技術に対しての現実解を提示しているところがないな、というのが学ぶ上での障害でした。

そんなタイミングで野呂さんと出会いました。野呂さんがその時やっていたのは個別指導だったんですが、最初はテキストのフィードバックモニターをやる形で関わっていました。Googleドライブに改善点のコメントを入れていく形でやっていました。「ここわかりづらい」、「ここでエラーになる」などを1つ1つお伝えしていたんですが、それに対して真摯に対応している姿を見て、「理念を広めるお手伝いをさせてください。」となって、DIVE INTO CODEに入ることになりました。

その時の自分に言ってあげたいことは?

エンジニアとしての目線を、最低限持った上で、寄り添う力が重要だと思っています。エンジニアにはプロとしての矜持があるのに、経営者の鶴の一声で変えてはいけない。技術者の意図を読み取る力がリーダーにも最低限必要なんです。一方、意図を読み取るためにはスキルが必要なので、学ぶ必要があるんです。

Image from Gyazo

プログラミングは自己実現のためのツール

いま、平井さんが思うプログラミングの意味って何ですか?

自己実現のためのツールとしてプログラミングがあるかなと思っています。ほとんどの業界で、プログラミングは避けては通れないものになっています。そんなプログラミングを知っておくことで、社会的価値・市場的価値が上がるというのはあると思うんですね。達成したい人生のために、プログラミングはいろんなところで使える武器になるんじゃないかと思います。

どんな風に自己実現された方がいますか?

そうですね。例をおふたり挙げますが、

まず、遠方に住んでいて事務をやっていた方がいました。この方は今のままの暮らしは、不満はないけど楽しめないという漠然とした不安があったんですね。人生を豊かにしたいと考えて求人を見ると、エンジニアを募集している企業が多い。そこから興味を持ってバリバリのエンジニアになった方がいます。

あとは、未経験からフリーランスになった方もいます。スクール入校前に青年海外協力隊で働かれていた方が未経験からスクールを卒業し、フリーランスとしてバリバリ働かれています。

共通していることとしてはスタート地点では「これをやりたい」、という気持ちが明確ではなかったと言うことなんです。意外じゃないですか?

エンジニアにはなりたいとは考えていても、エンジニアになった後、何をしたいか、は最初の段階では明確ではなかったという人が多いんです。

ゴールをまず作る。「Rubyの求人分析」

明確に描けている人ってどのくらいの割合なんですか?

明確に「こんなサービスつくりたい」「こんな会社に入りたい」というプランが描けている人は2割くらいですかね。

残りの方には、エンジニアになった後の事例をお話しています。良いエンジニアになるためには、何が必要か、ということを厳しさも含めて現実解を伝えています。アフィリエイトやいろんなサイトには、プログラミングを学んだ後の理想を伝えているサイトは多いのですが、その間の「苦しいプロセス」は全く伝えていないんです。苦しんだ方はエンジニアの中でもトップにいたりして、現場とスクールとの間の乖離が大きい。学べば簡単に現場に入れるというわけではないので、そこをしっかり教えています。

現実を教えるために過去にどんなことをされたんですか?

Rubyの求人を1つ1つ見ていて、平均的に求められるスキルを分析したりしました。エンジニア求人でRubyに関わっているものは全て分析したりしました。やはり生々しいデータを扱うことが大事なんですよね。また、現場のエンジニアにもなんども意見交換しながら進めていきました。

数年の歳月とビジョンとウェイ

教育する上で大切にしていることは?

自分の軸で考えると、2つあります。

1.他者貢献
2.問題解決能力を養ってもらう

の2つです。

プログラミングは1つの何かを解決するツールです。世の中の社会的価値(信頼と価値を作る他者貢献)を提示することで、お金になって戻ってくる。自分で問題解決する能力を手にしてほしい。その結果、必然的に選択肢の幅が広がると考えています。

でも、この考えとは別に、会社として大切にしている考え方があります。

会社として大切にしている考え方ってなんですか?

それはミッション・ビジョン・バリューとウェイです。実はこれを考えきるのに1、2年かけました。3、4人でそれだけを語り合う合宿をしたりしましたね。

ビジョンである「プロのエンジニアになるために挑戦する人が、チャンスをつかめる場をつくる」も練り上げるまでに1年くらいかかりました。

ただ、ビジョンは会社の考え方なので、この考え方に対して、個人の思いを重ねないと空中分解してしまう危険性があります。単純に自分の行動指針が会社の行動指針にもなっている状態であるべきですよね。それをやっておけば、例えば社長がビジョンと違うことをやっていれば、「違くないですか」、と伝えることができます。それができるのは、教育の信念があるからなんです。だから、人によってブレない軸になる必要がある。ここがこの会社の良いところだなと思っています。この思いは、カウンセリングの現場でも生徒さんに伝えています。

ウェイはあまり聞かないと思うのですが。

ミッション・ビジョン・バリューがあった後で、「ウェイ」は個人の人生観・思いを書き出して重なっていきました。初期創業メンバーは全員やっています。ウェイだけで半年かけていきましたね・・・。暫定で決めて直して、を繰り返していって今に至っています。

事業の最終目的:すべての人が、テクノロジーを武器にして活躍できる社会をつくる
ビジョン :プロのエンジニアになるために挑戦する人が、チャンスをつかめる場をつくる
ミッション:プロのエンジニアとしての仕事ぶりを可視化し、プロとのギャップに気づく機会をつくり、自ら成長できるサポートをします
バリュー:自己成長、問題解決能力をもつ、他者貢献

平井さんの「ウェイ」は何ですか?

問題解決能力と他者貢献です。

実はさっきの教育する上で大切にしていることというのはウェイだったんですね。

はい、そうです。

ウェイを作るにあたり、「プロのエンジニアになるために挑戦する人が、チャンスをつかめる場をつくる」の中に出てくる「プロ」についても議論をした。そもそもプロってなんなのか。技術があればプロなのか、自分で作りたいものを作ることができればプロなのか。最後に落ち着いたのは、自分が学んだ技術を外に提供した時に対価がもらえることなんじゃないか、ということになりました。そうなれば人生が豊かになり、時間的価値や社会的価値が高まり、人生の選択肢が増えます。テクノロジーが武器になり、転職や就職ができる。これが現実的なプロなんじゃないか、と話し合いました。プログラミングスクールなので、ソフトウェアエンジニアになってもらうことを現実解として位置付けけています。

Image from Gyazo

欠点は隠さず、改善

平井さんの話にはビジョンと一緒に「現実解」という言葉がよく出てきますね。

事実と意見を切り分けよ、ということを大切にしているんですね。うちの社長も良く言います。現実解を定めれば、正解のために動くことができます。プログラミング学習のために認知されているものと、ブラックボックスのズレを正しく認識して作っていくこと、が現実解になります。

その話自体がプログラミングっぽい話ですね。

人間の意見と事実が交わると、同じ問題に対しても、意見は変わってしまいます。そのために、事実を整理する=現実解が重要なんです。その認識はみんな持っていますね。カウンセリングしていると、「ここまで情報をさらけだしているスクールはない」と言われます。

さらけ出すことでパクられることを嫌うスクールもあると思うんですが、そのリスクを取ってでも、全部さらけ出しています。

どんなことをさらけだしている?

実際の就業率や就職の過程でネックになることもさらけだしています。良いことばかり言わないということですね。イベントの中で、エンジニアの現場とスクール卒業後のギャップを直接卒業生に話してもらったりもしています。変な話、その場ではDIVE INTO CODEの批判があってもいいんです。卒業生に実態を生々しく語ってもらっています。「JavaScriptの教材でこの部分が足りない」などと普通に話してくれます。

普通、そういうことはやらないと思うんですが。

改善していく自信があるからですね。受講生や教材を見てきてくれた方、就職したCTOからもフィードバックをもらって、何度も何度も良いものにして練り上げたものばかりです。だからこそ、さらけだしているんです。

就業率や就職の過程でネックになることというお話がありましたが、どのあたりのことなのでしょうか。

プログラミング未経験のキャリアだと一概に全員エンジニアになれるかはわからないんですよ。40歳になると、20代よりも就業しづらいとか、そういう普通は言わないことも伝えています。

お申込をいただいた方の人数を母数として、就職決定された方の人数で割ると55%程度です。この母数には、退会された方や、就職ではなく教養のために学びたいという方、法人研修の受講生も含まれます。

就業率100%と言うことですが、母数は何名程度になるんでしょうか。

そっちはまだ3回しかやっていないので、15名になります。

入る前にカウンセリング、事前テスト、面談をした上で、エンジニアになってからのキャリアや必要なことなどを洗い出し、深掘りしてやっています。ご本人が納得してくれてから入ってもらっているんですね。逆にこちらから、営業することは絶対にしません。本人の意思が結局大切なので。

自分で決めることで、目的意識が育つんですよ。なので、卒業生コミュニティーも自律的にできています。

経営者になった話と大義

素晴らしいですね。ところで、もともと経営されていた会社はどんな会社だったのですか?

大学がアパレル専門だったので、アパレル商品の販売、卸業をやっていました。ECを作っている過程で、先ほどお話した開発がうまくいかなかったことがこの時にありました。

なぜ始めたんですか?

単純にブランド関連を仕入れられる環境があったんです。そのため、価格競争で勝てるぞ、という邪な理由で始めました。今振り返ると大義がなかったんですね。裕福になった方がいいかな、というような考え方でした。メガネは既にブランディングはされているので、マーケティングさえやればという形でやっていましたが、長くは続かなかったんですね。

会社に入る時勇気が必要だったんじゃないですか?

元の会社では大義があったわけではなかったので、まずやってみようというところからやり始めたんです。そのため、社長というポジションに対してのこだわりもありませんでした。体験ややりたいことに対して、体現できる場所であればこだわりがないというのは今でも一貫しています。

そもそも社長の野呂さんとはどうやって出会ったんですか?

グロービス大学院の一角で初めてお会いしました。まだスクールも立ち上がっていないのに、「社会を変えよう」、と話されていました。めちゃくちゃ熱くて、感化されました。今のスクールの形を野呂さんは既に見ていたんだと思います。

しかも、自分でもプログラミングについての辛い体験をしていたので、「まさにその通りだなあ」と心の底から思えたんですね。プログラミングを勉強すれば、人生は変わる、でもその難しさを伝えているスクールがない

野呂さんの中では、ビジョンやミッションも、あの当時からできあがっていたんだろう、と思います。前の会社では大義がなかったこともあり、こう言う大義をしっかり向き合っている野呂さんの魅力や情熱を感じて、一緒にやろうと思うようになりました。

会社の方針「年齢も社歴も関係ない、大事なのはウェイ」

いろんな経営者がいる中で野呂さんがスペシャルなところってどこだと思いますか?

よくも悪くも「THE 社長」って感じじゃないんですね。誰よりも人思いなんですよ。人に対して、真摯に向き合うことができる人です。

ある程度社員が増えてくると、社長業も大変だと思うんですが、相談をがっつり向き合ってくれたり、みんなと一緒に議論する場所をつくってくれたりします。しかも行動力は天下一品でめちゃくちゃ動くんですよ。

社長自身がミッション・ビジョン・バリュー・ウェイを一番体現しないとダメだ、という話は、今日の昼ミーティングでも話されていました。そう言う責任感がある。

また、代表から今伝えたいことを毎週話してくれています。週次でみんな顔を合わせて話をしてくれます。

今でも毎週議題を出して全員で承認するようにしている。経営者から組織への一方通行ではなく、承認や決定事項を毎週決めるようにしています。

なかなかそこをやりきれる組織って珍しいですよね。議論が平行線になったことはないんですか?

時間内に終わらない場合は、主要メンバーだけ会議を別で開いて実施して、最終的に決めるようにしています。

平井さんはこの会社でNo.2なんですか?

会社はフラットなので、ウェイを体現できているか、というところが評価基準なんです。なので、年齢も社歴も関係ないんですよ。入社1ヶ月でもウェイを体現していれば、その方が素晴らしいと考えている組織です。

入学式の初日の屋上で

平井さんって少年時代はどんな人だったんですか?

外で遊んでいて、明るく活発でした。生徒会長もやっていて、人の輪の中心にいました。ちょっとヤンチャで元気で遊びに行く感じでした。スポーツも水泳、サッカーなどをやっていました。勉強は全然やっていなかったんです。

子供の時の恋愛とかも聞いていいですか?

え・・・。あ、はい。いいですよ。

中学校の入学式の次の日、初めて会った女性に一目惚れしました。その日に「言いたいことある」と屋上に呼び出して、「一目惚れしました。付き合ってください。」と告白したんです。

え!!初日に告白ですか?

はい、めちゃくちゃ可愛い子だったので、他の人がやらないことをやらないと付き合えないと思ったんです。そして、早い方がいい、と考えました。

相手からは「友達から」と言われたんですが、何度も「遊ぼう」と誘って、付き合うことになりました。

めちゃくちゃ起業家っぽい恋愛話ですね・・・!

そういうこともあり、プログラミングの学校をやっているものの、「リアルな場所」はすごく大切だと思っています。「思いの共有」は現場でやらないといけないなあと。うちのプログラミングスクールを検討していただく方にも、うちに惚れてもらう必要がありますし、うちに恋をしてほしいですね。僕らもそうなるように磨き続けないといけないとも考えています。

Image from Gyazo

即決、起業。

こういう行動力がある話って他にもあったりしますか?

会社立ち上げたのも友達と話して、2週間後にやりましたね。結婚式の二次会に行く前の空いた時間で中学校の時の同級生と会ったんです。めちゃくちゃ久しぶりだったのですが、その場で盛り上がり、会社を立てようと話しその場でお金を出し合い、資本金を作り、1週間で会社名を決めて、2週間で会社設立しました。

めちゃくちゃ早い・・・! 初日に告白をした、と言う話にもつながるエピソードですね。今の会社自体のスピード感はどうですか?それだけスピードが速いと遅く感じたりはしないですか?

実は今の会社はみんな速いんですよ。思い立って、slackに投げた瞬間、どんどん進んでいくので、自分が特別速いとは思わないくらいなんですよね。

取材者メモ

スピードが速い組織と言うのは2種類あります。拙速な組織と階段を着実に積み重ねていける組織の2種類です。その命運を分けるのがミッション・ビジョン・バリュー・ウェイになります。今回のDIVE INTO CODEの取材で明らかになったのは、この組織の本質的な強さはミッション・ビジョン・バリュー・ウェイの腹落ちにあるということです。ここができているから、スピードを速めることができる。だからこそ、お客様に対する価値提供にブレが起きない。

しかも、平井さんの場合、その価値提供の背景となる人生での出来事がありました。だからこそ、プログラミングを始める方に対して、生々しい情報を公開することができるわけですね。告白を初日にする行動力を持った平井さんが、ミッションビジョンバリューを腹落ちさせて、教育のポリシーを持って、向き合っている。これは価値が高いなあと改めて思った取材になりました。

DIVE INTO CODEのことをもっと知ってみませんか?