インタビュー

2019年10月28日

DIVE INTO CODEの遠藤祥子さんインタビュー 「人を“楽観的“にするものづくりを叶えたい!」たどり着いた機械学習

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自分のものの考え方に自信が持てず、哲学を学ぶ

DIVE INTO CODEに来られてどれくらいですか?

1年と5ヶ月です。Pythonを知らない「未経験」の状態から、今こうしてメンターをさせていただいております。

DIVE INTO CODEに入社された経緯を教えてください。

長くなります(笑)私は学生の頃、自分の“ものの考え方”に自信がなかったんです。どうやら複雑に物事を考えすぎてしまうようで、どうしたらシンプルな答えが出せるようになるのかと疑問に思っており、哲学を学ぶために大学院に進学しました。そこで出会った、建築家でデザイン論を研究していた先生の影響が今も強く残っています。その先生が自分の哲学も終わらせてくれました。

自分の哲学を終えるというのはどういうことでしょう?

哲学における探究には、物事には何か深いところに真理があるという前提や、深く掘り下げていけば、いつかある種の真理に到達するという期待があると思っています。一方、そのとき先生が語ってくれたのは、真理とは認知からかけ離れた深層にあるのではなく、表面に見えている物事と物事の間にあるギャップにこそ真理があると思う、ということでした。私の想像による解釈ですが、デザイン論を研究している先生は、目に見える物事の間のある種のズレを私たちは知らぬ間に認識において埋めている(補正している)、そのことを真理と呼んでいるのかなと思いました。

そして哲学者の営みは深淵でとても尊いけれど、自分がそれを一生やりたいのかというとちょっと違うなと思いました。そこで、自分は哲学探究をお終いにして外に出ようと思いました。何をやって生きていこうかと考えたとき、先生のデザイン論の影響を受けていたので何かものを作りたいと思い、なおかつ自分は洋服が好きだったため、服を作ることを生業にしようと決心しました。

じゃあどうしよう、どんな服を作ろうかと考えた末に「人が楽観的になるような服を作ろう」と思いました。というのも、人生ってどんな時間が長いほど嬉しいだろうと考えてみたら、それは「楽観的な状態」だという結論に至ったからです。同一人物であったとしても、とある事態を受け止めるそのときの心理状態によって、事態の解釈や評価は違ったりします。その心理状態は、外部の装置によっていくらかコントロールできると思うので、そのような装置としての服を作りたいと思いました。

Image from Gyazo

人の状態を定量的に観測し、分析するために

服を作りたいという思いから、どのようにDIVE INTO CODEへ繋がったのでしょうか?

人の内面への影響を測るためには、人体をセンシングして得た定量的なデータを分析しなければいけないと思い、何かしらのプログラミングが必要だろうと漠然と思いました。けれど、よく考えたら自分はプログラミングどころかパソコンすら苦手(笑)だったので、服の専門学校に通ったあとしばらくパソコン修理の仕事をしました。その後、設計するためにCADや繊維技術士の資格を取ったのですが、どうも道のりが長くなる方向へ向かっているなと感じ、ひとりでも小さく始められるサービスを立ち上げられそうなプログラミングの技術を学ぼうと思い、DIVE INTO CODEに行き着きました。

プログラミングを仕事にできたり学べる環境は他にもあると思うのですが、どうしてDIVE INTO CODEを選んだのでしょう?

ここには、ほぼ毎日10時間学んでいる人たちと一緒に真剣なことができる類い稀な環境があります。またプログラミングのみならず機械学習を扱うことで、服自体ではなく服のサービスなら作れるかもしれないという希望が得られました。

服とITがここで繋がるんですね。

そうですね!最初にお話した「楽観的な状態」というコンセプトは変わっていなかったのですが、「楽観的とは何か」という定義自体はまだ固まっていなくて、何年越しか考え続けていたのですが、この頃にようやくそれに必要な条件がひとつ決まりました。人が楽観的でなくなるときというのは、不確定性の高い状況にいることが多いように思います。人は自分のことすらあまり知らないし、ましてや周囲の状況から不確定な要素を取り除くことは難しい。その一方で、自分自身の持つ傾向は経験的にある程度把握することはできそうなので、自分がこういう属性だとすると、だいたいこういうことが起きたらこの程度のことはできるし、これ以上のことはできない、と冷静に受け止めることもできます。つまり、自分の属性を知ることを楽観的な状態でいるための必要条件だと決めました。

その条件を服という領域で考えると、服によって知ることができる属性とはズバリ「自分の形」だと思いました。「自分の形」とは寸法や既製服でいうサイズのことではなくて、自分を最も美しく見せる形のことを指しています。そういう自分の属性を引き出してくれるオーダーメイドという伝統的なサービスを、ここ数年、VRや機械学習を用いて発展させようという風潮があります。私のやりたいこともその風潮の中にありますが、どうやってやるかの詳細は端折りますね。

なるほど。メンターの仕事は大変ですか?

そうですね。入社したあと研修生として受講生と一緒に授業を受けるようになりました。
本当にほぼ毎日、週6日生活を共にするように学びました。私の立場は受講生ではないので、大半を自分でキャッチアップする必要がありました。さらに自分は機械学習について本当に丸腰で始めたので、研修後も数学塾や外の勉強会に出て行って補っていました。充足した状態は常になく、とはいえやるしかない状況が続きました。

やるしかない状況を受講生も選んでいる訳ですよね。

そうですね。毎日、しかも仕事を辞めてこなければならないコースはなかなかないと思います。「のっぴきならない状況」が用意されているサービスですね。

Image from Gyazo

真剣になれど、深刻にならないように

メンターになっての気づきはありましたか?

深刻にならないことの大切さでしょうか。受講生は、この4ヶ月はある種ここに賭けている状況の訳ですが、真剣に取り組んでも深刻にはならないでほしいと願っています。深刻になって停滞するくらいなら、そうなる要因への執着は捨ててほしい。例えば、ある課題を正攻法で突破できそうにないとわかったとき、それ以外の方法も検討してほしいと思っています。最終的に自分の力だけで勝負すると決めたもの以外は、他人を巻き込んで協力を得るのがよいと思っています。それはこのオフライン学習という環境を活かすことでもあります。何らかの夢を持ってここへ来たと思っているので、学ぶに連れ深刻になって夢を見なくなるのではなく、夢を見続けられる強さを持って外へ出てほしいと思っています。

深刻にならないために、ご自身が心がけていらっしゃることはありますか?

何かしらの観念に囚われて想像の中で自分を苦しめそうになったら、それ以上は考えきらずに、思考を止めるように仕向けています。あとは、自分の問題と他人の問題を切り分けることですね。影響力のある他人が雄弁に語るものはとても良いものに聞こえるもので、自分も「それをやらなくちゃ」と思うことがあるけど、果たしてそれは自分の抱えている固有の問題に関係しているかどうかを検討すること。自分の問題に関係ないことは、ある程度のところまではいっても、やりきることができずに終わりがちなだけでなく、自分固有の問題を見えにくくして、人生を不必要に複雑なものにしてしまう。人からの影響は大切だけれど、向こう見ずに引っ張られないように気をつけなければと思います。

自分の問題に向き合う……。

面談で「あなたの1番の恐怖は何ですか?」と聞くことがあります。夢の代わりに恐怖もまたその人の進路を決める要因になり得るからです。夢は未来のことなので現在の自分の分析を見誤ると実は希望しているものではなかった、と後で思うことがあります。一方で、恐怖は自分の過去の経験に根ざしているので、そういうものが在るかどうかは自分自身がよく知っています。そして恐怖にも種類があって、忘れているうちにいつの間にか消えているものもあれば、忘れようとすればするほど余計に気になってしまうものもあります。後者の恐怖は、それがいつか自分のある行為の妨げになってしまうことがあります。それを避けるため、その恐怖を解消することにつながる進路を選ぶことを、自分の問題に向き合うことだと考えています。
先程の自分の属性を知ることは、自分の問題に向き合うことの必要条件でもありますね!

楽観的でいるための外部装置としての「服」。ご自分ではどういうふうに選んでいますか?

自分をどういう気分に寄せたいか、ですかね。「こういうふうでありたい」と自分を誘導する日もありますし、ただ「今の気持ちに近いもの」に留めようとする日もあります。なので、朝の自分の気持ちのある側面が選んだ服に出ています。これは聴く音楽を選ぶのと似ているような気がします。いつ聴いても自分に馴染む曲は自分にはまだなくて、そのときの状態をどうしたいかで選んでいるので。

機械学習の勉強も順調ですか?

順調に?学ぶことがどんどん増えているように感じます。最近は、仕事のひとつとしてカリキュラムの改訂や作成も始めています。これはカリキュラム用に手書きした「ダックラビット」というイラストです

Image from Gyazo
Image from Gyazo
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こ、これは、何ですか?(笑)

これは画像認識のための課題で、ウサギ(ラビット)とアヒル(ダック)の二値分類用データセット(写真3枚目)をCNNというニューラルネットワークで学習してもらいました。データの数が少なく、かつ似たデータをどのように処理してうまく二値分類するかを工夫してもらう課題です。テストデータ用には上の1、2枚目のような画風を変えた絵を書いてみました(2枚目は実験的ですね)。結果は、少ない層で分類できることができました 。 はじめは皆「こんなの分類できる訳ない」と。頑張っていただき、感謝しています!

Image from Gyazo

たしかに、これはめちゃくちゃ難しそうですね・・・!DIVE INTO CODEでは、こういったオリジナルの課題もたくさん作っているんですね。最後に、受講を考えている人に一言お願いします。

それぞれ夢があってDIVE INTO CODEを検討していただくと思うのですが、ここは外に出ても夢を見続けるための準備をするところだと思っています。その準備として、勉強のサポートだけでなく受講生さんが楽観的な状態で居続けられるように努めてまいります

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