ディープロ
2019年12月5日SIerに採用されたのにテストばかりだけど、エンジニアとしてステップを踏めるの?
今回は、SIerでテスターとして働いている新人エンジニアが抱きがちな「これでキャリアアップできるのか」という不安に対して、プログラミングスクール代表の視点からお話していきます。
目次
Web系のエンジニアとSIerのエンジニアの違い
Web系のエンジニアとSIerのエンジニアのステップアップの違い
開発エンジニアとして仕事をしたいなら、SIerは選ぶべきではない?
SIerの仕事におけるテストの意味
テストの作業がエンジニアとして無駄になることはない
まとめ
今回は、SIerでテスターとして働いている新人エンジニアが抱きがちな「これでキャリアアップできるのか」という不安に対して、プログラミングスクール代表の視点からお話していきます。
【こんな方におすすめ】
・SIerでテスターとして働いている方
・エンジニアとして就職したいけど、Web系エンジニアとSIerエンジニアの違いがよく分からない方
・転職活動中で、SIerエンジニアも視野に入れている方
【目次】
1.Web系のエンジニアとSIerのエンジニアの違い
・Web系のエンジニアとSIerのエンジニアのステップアップの違い
・開発エンジニアとして仕事をしたいなら、SIerは選ぶべきではない?
2.SIerの仕事におけるテストの意味
・テストの作業がエンジニアとして無駄になることはない
3.まとめ
■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
■聞き手
StartGate 永田 拓也
Web系のエンジニアとSIerのエンジニアの違い
今回は「SIerに採用されたのにテストばかりだけど、エンジニアとしてステップを踏めるの?」といった疑問に対して、ご意見をお聞かせください。
プログラミングスクールに通っている受講生の方は、いわゆる「Web系」と呼ばれるような、IT業界の中でも個人の方向けのサービスを生み出していくことに憧れて入学してきたケースが多いんですね。でも、IT業界にはそういった仕事をしている会社よりも、今回ご質問いただいているSIerのような、企業や官公庁が使うような大規模なシステムを受託して作る会社の方が、実は多いんです。
そうなんですね。
ですから、Web系のエンジニアの採用がなかなか決まらないから、SIerにも目を向けるという人も多いのが実情です。ところが、これからお話するとおり、Web系のエンジニアとSIerとでは、ステップアップの考え方などが違うので、こういった疑問を持たれる方が多いでしょうね。
Web系のエンジニアと、SIerのエンジニアとではどのような違いがあるのか、詳しく教えてください。
Web系のエンジニアとSIerのエンジニアのステップアップの違い
Web系のエンジニアと、SIerのエンジニアとでは、エンジニアとしてのステップアップの方法が少し違います。
SIerの場合は基本的には受託開発ですから、顧客と認識合わせをして、そこからプロジェクトがスタートしていきます。認識合わせというのは、システムの仕様や納期や金額感などを決める、とても重要なものです。そこで決まったことを引き継いで、プロジェクトを完了できるよう調整したり、顧客と折衝を行なったりするのが、プロジェクトマネージャーという人たちです。このプロジェクトマネージャーは重要な役割なので、立場も給与も高くなる傾向にあります。
一方でプログラマーの場合は、決められた仕様などに沿って、細かく分配されたタスクをこなしていくことになります。つまり、プログラマーの人たちは構造的に立場が低くなるので、給与も低くなります。ですから、SIerの世界ではプログラマーからプロジェクトマネージャーへと昇っていくことが、一般的なステップアップとなる
訳です。
なるほど。Web系のエンジニアの場合はどうなのでしょうか?
Web系のエンジニアのステップアップは、SIerのエンジニアの逆というイメージですね。Web系のエンジニアの場合は、世の中に求められるシステムやサービスをユーザー目線で考えて生み出すことが仕事です。ですから、プロダクトを生み出せるプログラマーが1番えらい立場になります。
開発エンジニアとして仕事をしたいなら、SIerは選ぶべきではない?
その視点で考えると、やはり開発エンジニアとして仕事をしていきたい場合は、SIerは選ぶべきではないということでしょうか?
一概にそうと断言できる訳ではありませんが、「コードを書いてプロダクトを生み出すことで輝いていきたい」という考えの人にとっては、必ずしも良い選択肢だとは言えないと思います。もちろん、「SIerの場合は官公庁や会社の業務を支える大きなシステムの開発に携わることができる」という醍醐味がありますから、そこに魅力を感じる人であれば良いと思います。しかし、「プログラマーとしての市場価値を高めていきたい」という考えであれば、合わない可能性が高いですね。
「自分が持っているエンジニアとしてのキャリアアップの理想像と照らし合わせて考えるべき」ということですね。
仰るとおりです。昨今の働き方に対する価値観の変化から、最近はSIerであっても、Web系の会社でやっているような働き方に取り組む部署を設けるという例も出てきています。ですから、会社単位で見るのではなく、「どこの部署に配属されるのか」という視点で考えることも大事ですね。ディープロの卒業生でも、SIerでプロダクト開発の仕事に就いたという人もいたりしますよ。
SIerの仕事におけるテストの意味
ここで話を戻しましょう。SIerの仕事ではプログラマーではなくて、さらにその前段階ともいえるテスターとしてキャリアをスタートすることも多いですよね。SIerにおけるテストについて、どのような意味があって行なわれるのかを教えてください。
「コードがきちんと書けない人にはプログラミングの仕事をいきなり任すことはできない」という考え方がまずあります。ですから、プログラマーとしてのスキルが未熟だと判断された場合は、まずは仕様チェックのテストをやってもらうことからスタートします。「仕様チェックの際にどのような視点で見るのかを理解してからの方が着実にスキルアップしていける」という育成プロセスが、SIerの中では一般化されている
訳です。もちろん、「テストであれば万が一ミスがあっても顧客への影響が少ない」という考え方もありますね。
SIerにとっては、そういった育成プロセスが通常のパターンということですね。
テストの作業がエンジニアとして無駄になることはない
それと、テストという作業はWeb系の開発においても重要なものですから、テスト作業の経験がエンジニアとして無駄になることもないと思います。
タスクとしてだけ捉えるのではなく、将来開発の仕事をすることを見据えて、勉強の機会として捉えることが大事ということですね。
そうです。実はWeb系の開発の現場だと、テストが適当に行なわれていることもあったりします。そういった意味では、SIerの仕事としてのテスト経験は、エンジニアとしては貴重な経験だとも言えますね。
今回の「エンジニアとしてステップを踏めるの?」という疑問に対しては、「テストばっかりではイヤだな」というイメージだけで判断するのは早いという答えになりますね。
そうですね。今回のお話の中でも出てきましたが、SIerのキャリアパスはテストで止まることはなく、テスターからプログラマ、システムエンジニア、そしてプロジェクトマネージャーへと昇っていくものですから。それを理解した上で、判断してもらえれば良いと思います。
まとめ
・Web系のエンジニアと、SIerのエンジニアとでは、エンジニアとしてのステップアップの方法が少し違う
・テスター経験により、どのような視点で仕様をチェックするのかを理解してから着実にスキルアップさせるのが、SIerの育成プロセス
・テストの作業がエンジニアとして無駄になることはない。「テストばっかりではイヤだな」というイメージだけで判断するのは早い
今回の「エンジニアとしてステップを踏めるの?」という質問に対しては、テスター経験によりどのような視点で仕様をチェックするのかを理解してから着実にスキルアップさせるのがSIerの育成プロセスですから、「そう不安になる必要はない」という答えになります。テスト作業の経験がエンジニアとして無駄になることもありません。将来、開発の仕事をすることを見据えて、勉強の機会として捉えることが大事です。
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