ディープロ

2020年1月8日

一挙公開!今まで試した自己研鑽

自分を磨きたいけれど、何をしたらいいのか分からない。今やっていることって正しいのか不安。とりあえず勉強会やイベントには参加しているけれど…。そんな、がんばっているけどお悩みの方に、どう自己研鑽していけばいいのかお話します。

自分を磨きたいけれど、何をしたらいいのか分からない。今やっていることって正しいのか不安。とりあえず勉強会やイベントには参加しているけれど…。そんな、がんばっているけどお悩みの方に、どう自己研鑽していけばいいのかお話します。

【こんな方におすすめ】
・自己研鑽したいけれど何をしたらいいのか分からない方
・がんばって自己研鑽しているのに評価につながらないと感じている方
・勉強会やイベントに参加しているけれど、身についていないと感じている方

【目次】
1.即効性と遅効性
2.「気づき」を得る
3.ロードマップを考えよう
4.まとめ

■話し手
ディープロ 代表 野呂 浩良
スナップマート株式会社 取締役CTO 星 直史様

即効性と遅効性

今回は星様がこれまでどんな自分磨きをしたのか、勉強に限らず幅広くお話を伺いたいと思います。

「自分が何を磨くか」という対象の選び方については即効性遅効性の2つの考え方があります。即効性は仕事で求められているスキル、期待されているスキルの中で自分に足りないものを埋めにいくことです。

仕事の場で「自分にはこれが足りない」と自覚して学ぶんですね。

遅効性は一見仕事で使えるどうかは分からないけれど、後になってもしかしたら使うかもしれないもの。技術のポートフォリオを広げたり、幅を持たせたりするために学びます。与えられた仕事以外のものを自己研鑽で学んでいくと、いざ「これやれる人いない?」と聞かれたときに、「やったことあります」と手を挙げてチャンスを勝ち取ることができます

自分の場合は23歳のときはマネジメントや戦略とか、どこに使えるか分からないけれど勉強していました。それがリーダーやマネージャーになったときに「あのとき勉強していたことはこういうことなのか」と、5年越しに効き目が出てきました。

即効性の方はハウツー本やプログラミングの技術書、例えば、今解決したいことが載っている本を読んでみる。遅効性の方は、今は業務で必要とされていない周辺領域をちょっと学んでみる。「いつか複数の領域が組み合わさって役に立つときが出てくる」ということでしょうか。

そうですね。

これまで星さんは即効性と遅効性のそれぞれどのような自己研鑽をされてきたんですか?

自社に入ってリーダーになるまで3年くらいは遅効性のものしかやっていなかったです。

それはどうしてですか?

これはひとえに「見えていなかった」からです。
自分がどういう能力を必要とされていて、何をしたら活きるのかがまったく分からない状態だったんです。ですが、前に進むしかないと思っていたので、手あたり次第に何でも学習していきました。1年目なのにマネジメントを勉強したり。『人を動かす』、『キャズム』、『良い戦略、悪い戦略』、『マイケル・ポーターの競争戦略』などの経営学の本を読んだりしていました。技術領域に関してもRuby on Railsもそうですし、ミドルウェアやインフラ、フロントなどまんべんなく3年くらいずっと学んでいました。

3年間はなかなか即効性の方に気づけなかったんですね。それが、どういったときから気づくようになったんでしょうか?

明確にスキルを求められるタイミングがあったんです。それは「人の上に立つ」というポジションを求められたとき
なっちゃったら即効性を求められる。とにかく今求められる。マネジメントだとかリーダーシップだとか、そういうスキルを補うしかない。若いときに遅効性でやっていたことが、何年も経って今とても役に立っています。

リーダーになるまでの3年間に、遅効性のものではなく即効性のものをやっていたらどう違っていたでしょうか?

「変化に対応できない」というのが1番大きいと思います。線形に伸びたときって周辺知識がないので、線上に無いものを求められたときに「やったことない(汗)」となり、変化に弱い。

Image from Gyazo

遅効性のメリットとしては、点と点が線につながって、対応できる範囲が広くなるイメージです。かと言って、遅効性のものばかりやっていると評価が芳しくない。「なんで今それやってるの?」となる。

優先順位をつけないといけないですね。

バランスが必要です。

では、3年間遅効性のものをやっていたことは、星さんとしては結果として良かったんでしょうか?

即効性と遅効性の違いには気づきました。
即効性はアウトプットするためにインプットする。遅効性の場合はインプットが主になる。どこに役に立つか分からないけど、どこかには役に立つ。

「気づき」を得る

自己研鑽の中で具体的にどんなことをされたのでしょうか。マネジメントや戦略、リーダーシップや技術的なものなど、書籍を読んで学ばれたのが多いのでしょうか。

そうですね。

他には何かありますか?例えば資格を取ったりイベントに行ったり、学校に通われたりする方も多いですよね。
星さんはどんなことをされたのでしょうか。

人から与えられた情報で学ぶのは吸収率や成長の度合いが低くなるのではと考えています。勉強会やイベントではなく、ひとりでやった方がガッツリ集中できるし、濃度が濃くなるのではないでしょうか。ただし、人に聞かないと分からない情報をつかみにいくという使い方はあると思います。

相手に依存せずに自分で吸収できる環境をつくっていくのが大事なんですね。

そうです。

情報やスキル、機会について、「欲しい」「必要だ」と気づかないと学ばないじゃないですか。
「気づき」を得るという観点で、誰かと会話をしたり人の経験談を聞いたりすることで得られるものがあるんじゃないかと思います。星さんの自己研鑽の中では、どのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

自己研鑽には「気づき」がまずあって、足りないものを補うという流れになると思います。人から何か言われたからではなく、置かれた状況や期待感や「何が求められるか」ということを、自分の中で考えて気づいて動くことが多いです。その後、方向性が合っているか、学ぶ対象が合っているかということを、先輩など一歩先二歩先に行っている人に聞くのがいいのではないでしょうか。

ロードマップを考えよう

今、スクールに通っていらっしゃる方って、
・こんなふうになりたいな
・そうなるために知識や経験を得ることが必要だな
・それを体系的かつ効率的に、効果的に学べる方法がないかな
・自分ひとりで学ぶよりも経験を持っている人たちのそばで学んだ方が早いんじゃないかな
と考えている方が多いのではと感じています。

自分で書籍を買って勉強するのでもできるとも言えるし、逆に人に聞かないと得られない体験とも言えます。これからエンジニアを目指す方は、どんなふうに自己研鑽すればいいのか、星さんはどういう方法が良いと思いますか?

まずはロードマップを知ることだと思います。それには、どこを到達点にするのかを1番最初に考えることが必要です。
例えば、なんとなくプログラミングを知っていればいいのか、就職できればいいのか、ある企業ですごく輝いているエンジニアになりたいのか、それを決める。そして、「そうなるためには何をやっていけばいいのか」というロードマップを知ることが1番大事だと思います。

そこを知るというのは大事ですね。経験があって、そのようになった人に聞いてみるのが良いのかもしれませんね。

イベントの使い方としてまずは先人に質問できる、というのがありますね。そして周りの状況がどうなっているのか、技術の進歩や動向を把握する場としてイベントを使ったりします。そのために年1、2回のカンファレンスに行ったりしますね。

今回、「今まで試した自己研鑽」というお話でしたけれど、「そもそも何のために自己研鑽をするのか」ということを考えさせられましたね。具体的な内容だけ並べても、目指すものが違うとズレてしまいますからね。
ありがとうございました。

まとめ

・自己研鑽には即効性のものと遅効性のものがある。優先順位とバランスが大事。
・自分が何を磨けばいいのか知るためには、自分がどうなりたいのかをまず知ることが必要。
・自分がなりたいものになれるためのロードマップを知ろう。

ロードマップを知るため、方向性が合っているのかを確認するために先人の知恵を借りることも有効ですね。

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