アフリカ
2019年11月4日【ご支援者様インタビュー】一般社団法人才能開発支援機構 代表理事 星山 裕子様【クラウドファンディング】
ディープロのルワンダでのエンジニア教育プロジェクトのクラウドファンディングのご支援者、一般社団法人才能開発支援機構 代表理事 星山 裕子様にリターンインタビューをさせていただきました。
目次
一般社団法人才能開発支援機構 ご紹介
代表理事 星山 裕子様 ご紹介
星山 裕子様インタビュー
Talent Focus®による自己理解と他者理解
組織としての仕組みについて
人としての成長や多様性について
すべての人が持っているそれぞれの才能を活かす
ディープロでは2019年3月11日から4月22日まで、ルワンダでのエンジニア教育プロジェクトのクラウドファンディングを行ないました。クラウドファンディングで掲げた目標は「アフリカ全土にIT教育と雇用の機会を届けたい!」。
皆様のあたたかいご支援により、最終的には目標の180.6%(5,418,000円)を達成することができました。そして7月にディープロルワンダ校の開校も叶いました。
こちらの記事では、ご支援者様へのリターンインタビューとして、一般社団法人才能開発支援機構 代表理事 星山 裕子様にお話を伺いました。
一般社団法人才能開発支援機構 ご紹介
一般社団法人才能開発支援機構は、「すべての人が持っているそれぞれの才能を活かす」ことを目指し2017年12月に設立された団体です。
(一般社団法人才能開発支援機構は、株式会社Kronikaから運営に関する業務委託を受けております)
「自分の才能をいかして他者に貢献したい」「未来を生きる子どもたちを守り育てたい」「持続可能な組織をつくりたい」とお考えの方々に、一般社団法人才能開発支援機構を運営する株式会社Kronikaが開発した、個々が持っている才能を特定する「Talent Focus®」などを活用して、サポートを行っております。
代表の星山は、これまで54,000人以上の方々にお会いし、800社を超える組織へのコンサルティングと幹部養成を担ってまいりました。
その経験を踏まえて星山自身が理解したことは、「才能」から出る芽と「経験」から出る芽は、違うということです。
「才能」から出た芽は枯れません。
そして、「才能」は特別な人にだけ宿るのではなく、すべての人に備わっている、ということに気づいたのです。
一人でも多くの方に、自分自身の才能に気づいていただき(自己理解をし)、そして、他者との違いを理解し(他者理解をし)、そのうえで自分自身の強みにエネルギーと時間を集中して全体へ貢献する仕組みを提案したいと思っています。
あなたらしく生きることができる社会をつくることを目指しております。
■一般社団法人才能開発支援機構のHPはこちら
代表理事 星山 裕子様 ご紹介
一般社団法人才能開発支援機構代表理事、株式会社Kronika代表取締役。大学卒業後、リクルート人材センター(現在のリクルートキャリア)に入社。転職・結婚・出産を経て、家族の海外赴任に帯同して渡米。帰国後は人材派遣会社で派遣社員の身分のままで新規事業を起案、キャリアビルディング事業部長に就任。独立後、エグゼクティブ・コーチ、ヘッドハンティング、事業開発、経営コンサル、幹部育成などの側面から数多くのベンチャー・上場企業の成長を牽引 。
面談数5万4000人超、取引社数は800を超える。Talent Focus®️を開発し、人それぞれの持つ才能の開花を支援している。
『5つのエレメントでぐんぐん伸びる子どもの才能の見つけ方・育て方』より
星山 裕子様インタビュー
野呂:本日はよろしくお願いいたします。
星山様:よろしくお願いします。ご活躍の様子を楽しみに拝見していました。
今回は本当におめでとうございます!よかったですね。
野呂:ありがとうございます。願った未来の形が見えました。
星山様:Outcome Based Thinkingがうまくいったようですね(笑)
野呂:本当にそうですね(笑)
大変ご無沙汰しておりました。初めて星山さんとお会いしたのは五反田のカフェでしたね。そのときに御社のコーチングのトレーニングプログラムで、カードを使ったワークを体験させていただいたのがきっかけでした。5年くらい経ちましたね。
星山様:懐かしいですね。私は「東京の母ちゃん」みたいな心持ちでいますよ(笑)
野呂:ありがとうございます(笑)最近はいかがですか?
星山様:弊社事業もだいぶ大きくなってきましたよ。
株式会社でコンサルの事業をし、社団法人で資格制度の維持やクオリティの担保をしています。今年の秋以降にはNPO法人を立ち上げる予定です。その次には学術団体を立ち上げる予定です。ただ、そのためにいろいろな教授たちに論文を書いてもらわないといけないのですが、教授たちもお忙しいのか、なかなか進みません。
野呂:それは大変そうですね!
星山様:早くお話を進めたいので、いっそのこと私が大学院の博士課程に入って、自分で論文を書こうかと思っています。弊社で管理している資格の有用性と実効性を検証したりしたいですね。
野呂:素晴らしいですね。
Talent Focus®による自己理解と他者理解
野呂:最近、「自己肯定感が低い」と感じる方によくお会いします。自己受容・他者受容・社会受容のうちの自己受容がとても低いのです。
なんとかして、自己肯定感を上げるきっかけを作りたいです。弊社の場合、社会人からスクールに入って学ぼうとする人は、チャレンジ精神はあるのですが、自信があまりないですね。
星山様:自己肯定感が低い方々は臆病になりがちですね。安心・安全を求めて、手に職をつけようとしますが、自分で案件を開拓する覚悟と行動力を持ち合わせていないことが多い。案件を持っている人から仕事を分けてもらう方向にいってしまうんですよね。
野呂:自分を肯定していけるような過程やプロセスを準備したいです。
星山様:ぜひTalent Focus®
オンラインテストを受けてみてほしいですね。
社員さんが受けることで、向き合う受講生さんごとに適した教え方もできるし、学ぶ課程のどこでつまずきやすいのか傾向性も分かります。
野呂:コアメンバーやマネージャー層の育成過程に活かしたいですね!
星山様:新卒の場合は真っ白ですが、2社目以降だと、多かれ少なかれ染まっていますよね。バックグラウンドのカラーが違う人たちを育てるのは大変です。弊社はそういった方々向けの研修を手掛けています。
Talent Focus®は個人のタイプを五行のエレメント(木・火・土・金・水)に分類
します。これを会社規模で行なうと、各自のグラフを五角形の中にそれぞれプロットしてお出しします。そうすることで、メンバーの配置が一目瞭然となり「このチームはここが欠けている」とか「誰が無理しているのか」といったことがすべて分かります。自分に才能のある分野で頑張っている人は楽しそうですが、「やらねばならない」といったスタンスの方たちは相当量の努力をしていて、その努力とそれに伴うストレスが時間を奪っている状態になっていますね。
野呂:社員の自己受容が高くなると、それに触れる受講生さんの自己受容も高くなる。そうしてコミュニティ全体の受容度が高くなっていってほしいです。
星山様:今のディープロのコアメンバーは何名ですか?
野呂:今は正社員が11名(インタビュー当時)ですね。そしてパートタイムが20人弱います。
星山様:大きくなりましたね。
野呂:おかげさまで、ひとりのところからここまで増えてきました!
星山様:社員の方にはぜひTalent Focus®の解説を受けていただいて、ひとりくらい資格を持っていただくと社内のマネジメントがうまく回るかもしれませんね。
※Talent Focus®認定資格は、プラクティショナー、コンサルタント、シニアコンサルタント、エグゼクティブコンサルタントの4種ございます。
野呂:Talent Focus®の結果は全世界共通なのでしょうか。
星山様:全世界共通ですよ。
野呂:偏った傾向もないのでしょうか。
星山様:国民レベルでは受けていただいていないので分からないですが、結果は同じように出ます。国は違えど、同じような矛盾を抱えている人もいます。人間は皆、共通です。
野呂:だとしたらルワンダでの展開も可能でしょうか。
星山様:もちろん可能です。受検も解説も英語版があります。パソコンの設定で言語を変えていただければ、5分ほどで受検できます。
※Talent Focus®は、テストや解説資材について、日本語版、英語版、中国語版(繁体字)のご用意があります。
野呂:ありがとうございます。ところで、エンジニアやプログラマーに向いている才能と、努力しないと現場作業が難しい才能があるように思います。その辺はいかがでしょうか。
星山様:職業と才能は、1on1ではない
です。ただ、システムの特徴によって、エレメントの差は出ます。例えばユーザーインターフェイスなどで、人に寄せていったり人の感情に反応したりするような職業には、火や土の人はかっちりとハマりやすいです。ですが、行数が増えるなど、やたらとアクションが多くなる可能性もあります。
職業にかっちりとハマりシンプルに物事が進むのは、金や水のタイプですね。これらのタイプは、理由や根拠がはっきりしています。いろいろな場面を想定して「こういうときにこう考えるのではないでしょうか」「ここにこういうボタンがあったらいいですよね」と考えるタイプです。ただ、暴走することもありますね。
スピード感を持って推進していくのは木のタイプです。このタイプの人たちは、危機に陥ったときに危機から脱出することも得意です。
野呂:エレメントごとに反応に特徴がありますね。
星山様:Talent Focus®を受けていただければ自分の才能と経験が一目で分かります。診断結果の五角形の中で色のついている部分が自分のエレメント(才能)です。それ以外の部分で伸びている成長があるとしたら、そこは経験によって蓄積されたものです。ネゴシエーターであれば、1:1の平和的解決や折衝に長けており、相手の満足度を高め、ケアフルな感じです。ディレクターであれば、皆と同じ目線で現場指揮官のようにビジョンを伝えていくことが得意です。
自分のエレメントと反対の部分で伸びている場合、注意が必要です。これは、2つの異なる方向から同時に引っ張られているお餅のような状態です。無理な努力によって、引きちぎれそうになっている状態ですね。自分のエレメントの隣の部分で伸びている分には、おしなべて幸せな人と言えるでしょう。
※Talent Focus®オンラインテスト受検結果の一例
あや取りを想像してもらうと分かりやすいですね。自分の才能を伸ばそうと思ったら、他で使っている糸を手放す必要があります。そうして自分の余った糸を才能のある部分に振り分けることによって、才能を十分に伸ばすことができます。時間はすべての人に等しく24時間しかありません。自分の才能とは違う分野で伸びていた部分は手放し、余計なエネルギーを割くのは避けた方がいいです。
また、自分が経験上伸ばしている部分に、才能を持っている人がいるとします。そうすると、あなたがその方のチャンスを奪っていることになります。
自分の才能は生まれた瞬間から備わっているもので、死ぬまで変わりません。
自分の経験が他の誰かの才能であるなら、その人にチャンスを与えるべく、与えてあげた方がいいです。そして自分はこれまで抱えていた苦手を手放したことによって生まれた時間とエネルギーを自分自身の才能に活かす。この関係では誰も争っていません。皆が自分の大好物だけを摂っている状態…こうして組織が圧倒的に加速するのです。
野呂:社員同士でそれぞれの才能が分かっていると理想的ですね。
星山様:そうですね。お互いのことが分かっていると、「仕方がないな、木は」とか「水だからね」で済む話が増えます。人間関係が圧倒的に楽になります。
野呂:チームワークを発揮することが可能になりますね!
星山様:Talent Focus®を受検すると、最初は自分の結果しか分かりません。次のステップの「詳細解説セミナー」(所要時間2時間)というものを受けていただくと、すべてのエレメントについて説明を受けていただくことができます。組織内のフォーメーションまでだいたいイメージできるようになります。
ここまではユーザーなのですが、「プラクティショナー」という資格を取っていただくと、深い知識を得、詳細解説セミナーを自ら開催することも可能になります。
※詳細解説セミナーは、所要時間:2時間、参加費用:10,000円(税別)、開催日:要予約でございます。
野呂:詳細解説を行なえる人が会社にひとり居ると、とてもいいですね。
星山様:たとえば、ある程度、採用選考を進まれた方に受けていただいたり、新入社員の入社後に誰が面倒を見るのがいいかを話し合ったりすることもできますね。
Talent Focus®は、図形で才能と経験の違いを知ることができます。どの才能の部分で踏ん張っているのかが可視化されているので、自己肯定感のアップにも繋がります。また、生まれ持った才能とは違う分野で無理に頑張っていたことが分かって、気が楽になる方も多いです。「周りはできるのに自分はできなくて…」と思っていた方も、「だから辛かったのか」「そこが才能ではなかったから仕方ない」と思うことができます。
野呂:何が悪いのか分からず、でも環境のせいにできない方は多いでしょうね。
星山様:そうですね、「皆ができていることだから」です。でもTalent Focus®によって「皆とあなたは違った」ということが分かりますね。
野呂:そうして進むべき道が見えると、本人の才能が伸びていきますね。
星山様:そうです。だからこそ、同じエレメントばかりが居てもいけません。他のエレメントとバランスよく組んでいくことが大事です。まずは自分のエレメントが何かを知ることからですね。
野呂:ディープロでいうと、水のエレメントを持つ人が多いです。私自身も水で、水や金が多い傾向にあります。
星山様:足りないエレメントの部分を、誰かが一時的に経験で補うことは可能です。ただし、これはあくまでも緊急措置ですので、お勧めしません。その人のフローを止めてしまいかねませんから。
組織としての仕組みについて
星山様:私が皆様にお伝えできることがあるとすれば、2つあります。
ひとつは、「組織として仕組み化していく
」というお話です。何もないところから歯車を回し、持続可能で再現性のある仕組みを作ることが大切だと思います。
もうひとつは、そうは言っても人間がすることなので、人としての成長や多様性が重要です。まさに国際化のお話ですね。私は「人の際」と書いて「人際」と捉えていますが、「多様性の中で生きていく上でどうしたらいいか」というお話です。
まずは、仕組みとしてのお話です。
国の単位で比較したときに、長く続いている国があります。たとえば、中国の唐や江戸幕府は300年続いています。共通しているものとして、陰陽学や中国五行といわれるものが出てきます。
日本で「中国五行」と言うと「占いでしょ?」とほぼ間違いなく言われます。しかし、Talent Focus®では氏名や生年月日の入力は必要ありません。輸入されている四柱推命や風水は命式(生年月日や姓名判断の画数)を使うものが多いです。
では、同姓同名の方は同じ運命なのでしょうか。生年月日が同じだとどうなるのでしょうか。双子の運命は同じでしょうか。
野呂:一卵性ですが、性格も仕事もまったく違う双子の方が身近にいますね。
星山様:ですが、命式だと運命は同じだと出てしまうんですよ。Talent Focus®では命式を使わずに、もともとの五行の考え方をダイナミックに応用しています。ルーツから学んでいるので、命式を使用していません。ただ、五行がどれだけ身近なものなのか、私たちは知らないまま生きています。契約書に出てくる「甲」「乙」「丙」、あれも五行なんですよ。曜日も五行です。生活のありとあらゆるところに五行が存在しているのですが、それが五行だと習わなくなってしまってから久しいのです。
そのため、正体を知らない。陰陽学や五行はバランスの学問です。本当に根本的な宇宙の全体を整えるための哲学であり学問なのです。それがあるからこそ、持続可能な成長ができる。それを踏襲したひとつの例が、唐であり、江戸幕府であったということです。こういったことは、本当に限られたごく一部の方しか学べないものでありました…それらの知識がTalent Focus®に込められています。
政治において国を司るために使われた技法ですから、会社ひとつをマネジメントするのは大したことではありません。大きさが違いますね。
今回のルワンダ展開でも、前例がないことはたくさんあると思います。
前例がないことに挑戦するとき、やりたがらない人や保険をかけたがる人、リスクを取りたがらない人も出てくると思います。しかし、法則はあります。その法則を後ろに置いて取り組めば、リスクはリスクではなくなると思っています。
御社のクラウドファンディングでも、五行の考え方やTalent Focus®の考え方をもとに行動してもらえれば、間違いなく成功するパターンだと確信しました。そう思って、協力させていただきました。
とてもシンプルな理由ですね。
すべての人が完璧であるとは思っていないです。すごく能力があるけどお金がない人、すごくお金持ちだけど健康ではない人…いろいろな理由で困っている方がいるわけですよね。そういった中で、自分に余っているとは言いませんが、「誰かの役に立つのであれば協力しよう」という考え方を私は持っています。
野呂:本当に、人のご縁に感謝しています。
星山様:野呂さんはとても愛される人ですね。「俺が俺が」というキャラではなく、「皆、助けて!」と言える力があります。これはとても大事なことです。カッコつけても仕方がいないときに素でいける強さ…野呂さんにはそれがありますね。
会社の規模が小さいうちは、社長のカラーは会社によく現れます。でも組織が大きくなると、社長から見えない部分が出てきます。そうなると、社員が独断で動き出す瞬間が出てきます。物事を自分中心で考える人たちが暴走する瞬間がやってくる…これは想定範囲内です。これを暴走させないようにしようとすると、かえって暴走してしまうのです。
こういった事態にならないように、社長はコントロールではなく、うまくマネジメントする必要があります。「不祥事が!」「すごいトラブル!」「納期飛ばした!」といったことではなく、社員にきちんと人間関係を築きながら仕事してもらうこと
が必要になってきます。
こういった社員たちは能力もあるし意思もあるので、ある程度のところまでは任せておけば安心です。そこから先、彼らが経験していないことが起きたときに、彼らは自分流の考え方で動き始めます。ここで「あれやっちゃだめ」「これやっちゃだめ」と言ってしまうと、爆発してしまったり、淀んでしまい業務が滞ってしまったりします。うまく業務が流れるようにマネジメントしていく…まさに国の政治に使われたような技法というものが必要だと思います。そして、Talent Focus®にはテストという厳然たる実物があって、不変のエビデンスベースのマネジメントが可能になるので、とても楽です。
私はこれまで54,000人以上の方にお会いして、800社を超える企業の幹部育成に関わってきています。ですから、特徴を聞くだけで、こういったことが起こり得るだろうというパターンがだいたい分かります。
どのような状態が全体最適なのかを測る術がないのが現状です。経営学の本も、すごく昔に書かれたものが多いですね。学んでも学んでもなかなかすぐに活かせるものがないと思います。でも五行は国や地球・宇宙レベルで物事を考えているひとつの法則なので、普遍的であり本質的な法則を使って、ぜひルワンダでも成功していただきたいです。
野呂:まだ今回のルワンダのエンジニア教育プロジェクトでは五行を実践できていないので、ぜひ取り入れようと思います。言語の壁を超えて、「自分はこういう人間なんだ」とお互いに理解し合えるような関係にしたいです。
星山様:組織の持続可能な発展には、「普遍的である」「本質的である」というポイントがあり、弊機構ではそれを体現しています。実際にこの技術で800社を超える会社を再生したり蘇生させたりして、成長を牽引してきました。
また、私のコンサルとしての専門性のお話もさせていただきますね。ITに強い、金融に強いといったコンサルがいますが、私の場合は業界の縦割りではなく、最初からほとんどすべての業界を対象に、事業部長クラス以上の横割りでお付き合いしてきています。老舗企業もあればベンチャー企業もある。ナショナルカンパニーもあればガレージ起業のような会社もある。そしてそのすべてにおいて成功事例を作ってきました。その経験から、Talent Focus®は本当に普遍的な法則だと実感しています。関わったどの企業も業界に関係なく、数字が上がっています。
人間がいれば、業界の違いは問題にはなりません。もちろん、業界ごとの傾向や特徴はあります。でも人間の才能というものは絶対にありますし、才能を肯定してあげれば必ず伸びます。よく管理職の方などに「楽になった」と言われますね。トッププレーヤーだからといって、トップマネージャーになれる訳ではないのです。上から言われてマネージャー研修を受けて、「マネージャーたる者、こうあるべき」論をぶつけられ、自分の上司を横目に見ながらそのようになっていくのです。先輩上司のようになることを是とされる、でもエレメントが違っていたら辛いのです。そういう方に対して、「あなた自身がマネージャーになったんだよね」というふうに色を変えて、育てています。同じ魚のようにみえても海の魚と川の魚は違うのですから。
人としての成長や多様性について
星山様:次に人の多様性
のお話です。
最近、「ダイバーシティ」という言葉をよく聞きますが、間違っている感じが否めません。カタカナで書く「ダイバーシティ」はどうやら、「女性の管理職を◯割増やす」とか「障害者の雇用数を◯%増やす、◯人増やす」など数字目標が先に置かれていて、それを達成した会社を「ダイバーシティ・カンパニー」と呼んでいるように見受けられます。
確かに「ダイバーシティ」を達成できている会社は、そういう数値を満たしていると思います。でもその数値を満たしているからと言って「ダイバーシティ」かというと、まったく違うお話だと思います。
日本は断片的なことを指標に置いたので、間違ったのではないかと考えています。海外では「ダイバーシティ」では通じないですね。もとの”Diversity”は”dɪvˈɚːsəṭi(ディバーシティ)”です。”Diversity”はひとりひとりが輝いていて、皆が多様性を見せている状態を言います。だから、「何人の女性の管理職が…」といったことは関係ないのです。管理職であろうが平社員であろうがリーダーであろうが、それすら多様性ではないですか。
それなのに、「女性が結婚して子供を産んだら、必ず帰ってきて管理職にする」というのはおかしな話です。本当の”Diversity”を知らない気がします。
私は20年以上前から、ひとりひとり皆違うし、誰もが世界にひとりしかいないのに、なぜ他の人のマネをするんだろう、「あの人みたいになりたい」とか「私はあの人みたいにできないから」とか比較の対象がなぜ外にあるんだろうと思っていました。自分は自分だから、自分らしくあるだけで世界で1番だ
とずっと思っています。だから「自分の役をやってください」と思うのです。「ディレクターの才能の人はディレクターをやってください、ネゴシエーターをしないでください」といった感じです。誰かが私の役をすると大根役者になります。でもその人がその人の役をすると、アカデミー主演男優賞や主演女優賞を獲得するのは間違いありません!
そういったことを私は20年以上前から言っていましたが、のちに同じようなことを言った方がいます。アップルの、スティーブ・ジョブズです。彼がスタンフォード大学の卒業式のスピーチで「他人の人生を生きるな」と話していました。彼の発言力があるからこそ、耳を傾けた方は多かったですね。
現代はまだ、その人らしくあることが難しい世の中になっています。「その人らしく」と言われても、なり方を知らないんですね。「あなたの生まれ持った才能はここですよ」「培った経験はここですよ」と示すことで、どこにフォーカスして時間とエネルギーを使ったらいいのかというお話ができると思っています。
ここでひとつ、読者の方に向けて質問です。自分にとって「使命」とは何でしょうか。「使命」の言葉の定義とは、といった捉え方で構いません。
いろいろな回答があると思います。
じつは、古典の中に「使命」という言葉が出てくるんですね。「使命」とは何だろうと考えると、自分が生まれてきた意味とか、自分が成し遂げないといけない物事など、なんとなくぼんやりと辞書に書いてあります。でも古典で調べたところ、とても分かりやすく、「使命」は「命を使うこと」だと書いてあったんです。そのままではあるのですが(笑)、その先はというと、「命」とは「時間のこと」だと書いてありました。「で、何に使うのよ!」と思い、何に使うのか私は調べ始めました。そうすると「才能う(さいあたう)」と書いてありました。「与えられた才能があって、そこに時間を使うことが、使命を果たすということ」
だと書いてあったんです。
「じゃあ才はどこにあるのよ!きっと与えられた才と、与えられていない才があるのだろうけど…」と研究していって編み出したのが、Talent Focus®なのです。才能が生まれた時からひとりに1個必ず備わっていて死ぬまで変わらないので、そのことに時間をかけてやり続けていれば、使命が果たせます。そもそも与えられた才が違うので、人によって使命は違います。同じことをしても、違う花が咲きます。この考えを私はとても深いと思っていて、これを分かった上でプログラミングであれ何であれ、学びに変えれば、絶対に止まらないエンジンを搭載したようになる気がしています。
すべての人が持っているそれぞれの才能を活かす
星山様:ここまで、組織としての仕組みと、人としての多様性についてお話しました。人を育てマネジメントする上で、成長要因を用意し続ければ、成長のゴールに向けて人は勝手に成長します。平たく言うと、Talent Focus®を理解していれば、人を育てることは難しくはありません。理解していないのに、「皆、泳ぐんだ!」と言って川の魚も海の魚もザリガニも一緒くたにすると、おかしなことになってしまいます。魚ごとに生息環境も違うのに、「これだけ大きいプールを用意したんだ!皆、頑張れ!成果を出せ!自分の仕事はここまでだ。」と言って経営者が仕事を終えるようではいけません。
こういったことを理解して、ひとりひとりを活かすマネジメントすることが大事です。従業員は子分でも家来でもなく、一緒に夢を作っていく仲間です。「君の仕事はそこだよね」「あなたはそれが得意だよね」と自分でも分かっていて(自己理解)、皆も分かっている(他者理解)…この自己理解と他者理解が一致していることがとても大事です。
野呂:普通に「自己理解」「他者理解」と言っても、何をどう理解していいのかが分からないと、余計混乱してしまいますよね。
星山様:立場によって振る舞いも変わりますからね。でもTalent Focus®は生まれ持って死ぬまでの才能をマネジメントしていますので、「本質はこの人はこういうタイプだから」ということが分かれば、問題ないですね。
Talent Focus®は人を育てるときの声掛けに活きてきます。ある程度プロジェクトを回していくことを考えると、何十年もかけて育てる訳にはいきません。仮に育っても、ここでは良いけどチームに入れたときに回るのかといったことも心配になります。取扱説明書のように考えて、マネジメントに活かしていただきたいです。
それにTalent Focus®は人間の本質的なところをに捉えているので、国籍や宗教も関係ありません。生きている方であれば、大人でもこどもでも男性でも女性でも、構いません。
Talent Focus®は「すべての人が持っているそれぞれの才能を活かす」とあるように「すべての人」を対象としています。
ルワンダの方々にも体感していただけると嬉しいですね。なお、テストは日本語、英語、中国語(繁体)で受検可能です。
野呂:ディープロも日本やルワンダだけではなく、世界中で人々が才能を活かして活躍できるよう、頑張ります!ありがとうございました。
■Talent Focus®のご受検はこちら