インタビュー
2020年1月10日ディープロのバックエンドエンジニアの後藤洋平さんインタビュー「自分を満たし、他者を愛す。グッドバイブレーションで社会をより良くするために」
ディープロのバックエンドエンジニアの後藤洋平さんインタビュー!受講生からプログラミングスクールに就職した後藤さんが考える、これからのITの役割とは?
インターネットとの出会い、プログラマーへの憧れ
ディープロとの最初の接点は受講生として、だったそうですね。もともとプログラミングに興味をお持ちだったのですね。
そうですね。僕は小学校3年生の時に初めてパソコンに触れ、その頃からパソコンに興味を持ちました。というのも、僕はフィリピンのハーフ。それで、言葉がスローであったり、日本のカルチャーに対する理解が幼い頃は十分ではありませんでした。例えば、当時流行していたポケモンを知らず、皆がよく知っているピカチュウの顔も、僕は描けませんでした。それに対してバカにされることがありました。小学校1年生の時に初めて「バカ」と言われたのですが、「バカ」の意味もわからず…ただ、嘲笑のようなものや雰囲気は分かりますので、意味はわからなくても悲しかった。意味がわかってからは「自分はバカ」というレッテルを自分に貼っていました。
それは悲しいですね。
小学校3年生の時の先生はパソコンがすごく好きな先生で、初めてGoogleに触れた時に「こんな自分でも知的好奇心があって、知恵を求める自分の前にこの情報の海が広がっている」というところにすごく感動を覚えました。その頃からプログラマーになりたいと思っていましたね。ただ、「そんなの一部の天才がなるものだ」と言われたりしていた。自分の中でも確かにそういうイメージで、できるわけないと思っていました。
プログラマーは憧れだったのですね。どういうきっかけで学んでみようと思ったのでしょう?
フィリピンの友人がバックエンドエンジニアで、その友人が「英語ができて、頭を使うのが好きだったらどう?」と勧めてくれたことです。大学は早い段階でやめて、そのあとはバンドで飯を食っていこうとしていた時期もあります。そうしているうちに父が病気になってしまい、父が経営していたアパレル会社の経営をしなくてはいけなくなりました。大黒柱が重篤な病ですからね、急遽、僕が継ぐことになったんです。22歳くらいまで会社経営をやり、そこから3年ほどフィリピンに行きました。戻ってきてベンチャーの仕事をしながら将来を考えていた時ですね。友人に相談をしたことをきっかけに、プログラミングを始めてみました。
「こんなプログラマーになりたい」というイメージはありましたか?
僕は博識というか、広く学びたいと思っていました。今はバックエンドが楽しいと思っています。ここでは、バックエンドの仕事はもちろん、フロントもさせていただいているので楽しいです。
人々の日々の生活と心が健全でいられるような取り組みを
ディープロを卒業して、まずはメンターになられたのですね。
はい。ディープロの卒業が決まった時に、田村メンターから「ブートアップ企画」という、メンターのインターンをしながら就職活動ができる企画を紹介していただきました。一社、別の会社も見つけてトライしましたが、1番自分のビジョンと合致するのはディープロだと思い、今に至ります。
ご自身のビジョンと合うというお話ですが、後藤さんのビジョンというのは、どのようなものでしょう?
世界を良くしたいんです。じゃあ「”世界を良くする”とは何なのか?」を考えた時に、「グッドバイブレーション=持続可能な社会の実現」だろうと。「縁」というリレーの中で、グッドバイブスを生み出していくのが持続可能性だと思いました。じゃあ「”持続可能性”とは何なのか?」と考えた時に、人々の日々の生活と心が健全でいられるような取り組みをすることだと考えました。人は、自分を大切にできるからこそ他人を大切にできるんです。自分が満たされることによって他人にもそれを分け与えることができる。それが円でつながっているのが世界なので、グッドバイブがリレーのようにつながっていけば世界は良くなると思いました。でもそれは自分一人のアイデアで実現できるものではありません。そんなことを考えていた時にディープロと出会い、IT領域で世界中の人が活躍できるようにしようとしているというところに共鳴を感じました。ITは解決したい課題を解決できる手段のひとつ。
そういう皆の課題がアイデアによってどんどん解決されることに伴い、持続可能な社会の構築につながるのではないかと考えました。それと、僕はワールドワイド思考で行動していこうと思っているので、そういった点も惹かれたディープロが1番カッコいいと思ったんです。
「世界を変えたい」とは、どうしてそう思うようになったのですか?
僕自身、気持ちが病んでいるというか、ずっと怒りながら生活していたようなところがありました。自分の思うようにはいかないし、自分自身のことが大嫌いだった。でも、こういうのはやめようと思った時に、すごく良い方向に回り始めたんです。
怒りの感情というのは、社会に対してでしょうか。
いいえ、自分です。自分が嫌いだから人を認めることができないし、自分を大切にすることができていませんでした。
どんなきっかけで自分を認められるようになりましたか?
フィリピンに長く滞在していた時に、仏教の本をよく読むようになりました。そこから自分の捉え方は変わりましたね。あとは、あるシャーマニズムを研究しているフランス人の音楽家がいて、彼と会う機会があった時に自分は自分が嫌いなことを打ち明け、ヒーリングを受けました。さまざまな話を聞いたのですが、それから「自分自身の魂にコミットしよう」と思うようになりました。あと、頭の中のナレーター(頭の中で話している何か)の声を聞くのもやめました。その声はもう信じていません。その声を鎮めるために、瞑想も始めました。自分が本当の意味で自分の心にコミットすることをしようと決めてから、自分を大切にできるようになりました。
きっと簡単ではないマインドセットですね。
難しいですけれど、健全です。瞑想は、脳みそのチューニングとして、呼吸に集中することで、頭の中で語りかけてくる声を無にするというトライをずっとし続ける。そうして自分のマインドをニュートラルに保とうとする努力をずっと続けている感じです。
怒りや悲しみの感情は少なくなりましたか?
まだ、ありますよ。怒ったり、悲しいと思ったり。でもそういったネガティブな感情も悪いとは思っていなくて、それも自分の知性の現れだということを認め、受け入れる。その一方で、それを鎮めるための努力を惜しまないようにしているんです。自分を大切にできるからこそ、人を愛することができると思いますから。ビーガンも始めました。今9ヶ月くらいですが、13キロ痩せました。
自分に合っているんですね。
そうですね。ビーガンもフランス人のシャーマンの影響です。ビーガンというのは、もともとピタゴラスがやっていたことだそうです。今でこそ「ビーガン」という名前が生まれましたけれど、昔は「ピタゴリアン」という名前だったと言われています。ピタゴラスは偉大なる数学者であり、哲学者であり、また芸術家でもあり。彼の弟子たちもビーガンでないと弟子になれませんでした。僕は東洋哲学が好きで、修行というテーマをとても大切にしていますので、「カッコいい」と思って始めました。
「修行」というテーマですか。
生きていくってやはり辛いことだらけ。何でも勉強ですし、何でも自分に生かしていこうという意味での修行です。小さな頃から思っていることであり、今も変わりません。
カッコ良さを追求すること
ディープロに入社して、変わったことはありますか?
生まれて初めて、本当に仕事が楽しいと思いました。
毎日楽しいです。ひとつのことをやるだけじゃなく、毎日新しいロジックを考えて、それを形にしていく。それは自分にとても合っていると思うし、環境としても自分の頭で考えて手を動かしたら、実際にやっていいという点も素晴らしい。社員が自分の頭で考えて、能動的に動いていいということは、その人が信頼されているということではないですか。ディープロにはチャレンジを受け入れてくれる土壌がある。
本当に素晴らしいと思います。
メンタリングの時に意識していたことはありますか?
検索の仕方や考え方、英語のソースを含めて探し方のコツですね。「リソースフルネスでいる」という視点からアドバイスができればと思い、やっていました。
自分のプログラマーとしての強みはどんなところだと思われますか?
好きなことに対して、良いものを見つけてくる目と、新しいものを探して生きたいという気持ちがあることでしょうか。あとはクリエイティビティというか、コラージュ力。僕は音楽や絵も大好きなのですが、音楽もオルタナティブが好きで、絵もいろんな要素が入ったものが好き。新しいアイデアって境界線がなくなった時に生まれると思うんです。例えばレオナルド・ダ・ヴィンチは解剖をしている時に水の流れを考え、水の流れを考えた時に、髪の流れを考えたというような。新しいアイデアって合体させることだと思っていて、そういうコラージュ力や、アイデア同士を合体させる能力には自信を持っています。
絵や音楽と、さまざまなジャンルがありますが、今1番楽しいのがプログラミングなんですね。
そうですね。「ゾーン」に入る感覚を味わえる上、問題解決はその刹那がご褒美としてもらえるのも快感。ロジックを考えている時は頭の中のナレーターとも協力できているので、精神的にも良いのだと思います。毎日新しいことを考えられる、今が楽しい
ですね。
なるほど。
やはり人間はひとつのことだけをずっとやっていればいいという生き物ではありません。生存するためにはいろいろなことを学んで、日々いろいろなことを考えていかなければいけないと思うんです。だから毎日新しいことを考え、常に博識でいられるというのはとても良い状態だと思います。
絵、音楽、プログラミング。多才な後藤さんですが、これらに共通して追い求めているものはありますか?
カッコ良さですね。自分がカッコいいと思えるものを作ることです。僕は今、自分の「クール」を異常なまでに信仰していますね。
昔は絵を描いてもダメだと思っていましたが、今は良いなと思える。捉え方が変わってから、全部楽しめるようになりました。
後藤さんが思う「カッコいい」とはどのようなものでしょう。
うーん、それは場面場面で異なるかもしれません。僕の成長によっても変わっていきます。昔書いていた曲と今書いていた曲は全然違いますしね。今の僕にとっての「クール」は「顕示欲のない純粋な善」ですね。
おー、その言葉がクールです!
最後に受講したいと考えている人にメッセージをお願いします。
プログラムは論理的思考があれば誰でもできること。とりあえず、触ってみてください。人間だったら誰でもできると思います。できるようになることは純粋に喜びだし、自分が頭を使ったものが形になるというのは、知的好奇心を満たしてくれること。人間にとっての幸福だと思うんです。臆せず、とりあえず“遊んで”みてほしいと思います。